【ホテル業界必見】宿泊顧客のリピーター獲得方法を解説します
目次[非表示]
- 1.リピーターとは
- 1.1.ホテル業界のリピート率について
- 2.リピーターが重要視されている理由
- 3.ホテルのリピーターを増やすためには?
- 3.1.積極的・継続的な情報発信
- 3.2.ホテルマンのおもてなし
- 3.3.顧客満足度の向上
- 3.4.ロイヤルティプログラムを導入する
- 3.4.1.ポイントサービスがホテル業界に導入された経緯
- 3.5.顧客フィードバックの収集と改善
- 4.ホテル独自の会員カードなら「VALUE GATE」
- 5.リピート率の高いホテルの成功事例
- 6.まとめ
リピーターとは
リピーターとは、企業の商品やサービスに満足し、何度も利用し続ける(=リピート)顧客のことです。ホテル業界においては、一度宿泊したゲストが再び同じホテルを選んで宿泊することがリピートにあたります。リピーターの中には、企業やブランドに対しても愛着を持ち、積極的に利用する優良顧客も含まれています。そのため、顧客をリピーター化させることで優良顧客を確保・維持することができます。
ホテル業界のリピート率について
一般的に宿泊施設のリピーター比率は10~30%程度といわれています。財団法人日本交通公社の調査によるとリピーター比率が高い施設では客室稼働率が高いことが分かりました。つまり、リピーター獲得は客室稼働率を向上させる上でも有効な方法であるといえます。
しかし宿泊単価に関しては、リピーター比率が高い施設ほど低くなる傾向があります。この結果は、低単価のビジネスホテル利用者が多いからだと推測できます。
リピーターが重要視されている理由
ホテル業界が利益を上げるには、リピーター獲得は重要な施策となります。リピーターになってもらうためにも、単なる宿泊先ではなく宿泊客との関係性を築くことが必要になります。ここではリピーター獲得が重要視されている理由について解説していきます。
集客コストの削減
リピーター施策のメリットは、新規顧客の獲得よりも低コストで集客ができることです。新規顧客の獲得には、広告の出稿費やキャンペーン費用といった広告宣伝費だけでなく、集客に携わるスタッフの人件費も必要です。マーケティングの世界では、新規顧客獲得コストとリピーター獲得コストでは、5倍の差があるといわれているため、リピーター獲得は低コストで集客できる施策となります。
また、宿泊客の少ない閑散期や平日などの客室稼働率が上がりにくいときに、リピーターが獲得できていれば、大きな落ち込みを防げるともされています。
口コミによる宣伝
リピーターが重要視される理由の一つに、「口コミによる宣伝」があります。そのホテルに価値を見出しているリピーターは、客室や食事、温泉や接客サービスに対して強い信頼感を持ち、GoogleマップやOTAにポジティブな宿泊体験をシェアしてくれることが多いです。それが新たな顧客にとって大きな参考材料となります。口コミの評価が星などで表されている場合、その得点が高いほど人気や知名度にも影響するため、より選ばれやすくなります。費用をかけずに宣伝効果が高いため、口コミはとても重要な施策のひとつなのです。
口コミを増やすためにもリピーターが満足し、ポジティブな口コミを広めてくれるよう、優れた顧客体験を提供することが必要です。
ホテルのリピーターを増やすためには?
ホテルでのリピーターを増やすには必要なポイントが5つあります。ポイントをそれぞれ解説するのでリピーター施策の参考にしてください。
積極的・継続的な情報発信
1度でも宿泊してくれた顧客と定期的にコンタクトをとり、接点をなくさないこともリピーターを増やすポイントです。
顧客が周辺地域を再訪する際にホテルの存在を忘れていれば、選択肢にすら入りません。顧客に思い出してもらうきっかけを作るためにも、定期的にDMやメルマガを送ったり、SNSで新しいサービスやイベント情報を発信したりすることで、顧客にホテルのことを思い出してもらうきっかけを作り続けることが重要です。
ホテルマンのおもてなし
リピート率の高いホテルの共通点は「ホテルマン」にあります。宿泊客に感動を与えられるホテルマンこそ、付加価値を生み出せる存在であり、リピーター獲得の大きなポイントとなります。素敵なおもてなしで宿泊客の心を動かすことができれば、記憶に残り、ホテルのファンになる可能性が高まります。
記事の最後に詳しく紹介しますが、リピート率の高さで有名な「星野リゾート」では、ホテルマン一人ひとりが宿泊客の期待を想像し、おもてなしとして実現できています。そういった能動的な心遣いが人気の秘訣だと思われます。
顧客満足度の向上
リピーターになっていただくには、顧客満足度の向上が求められます。そのためには、接客だけでなく、ホテル内のサービスや設備も充実させていく必要があります。例えば、海外の宿泊客に向けた多言語対応や高齢者のためのバリアフリー、客室などのメンテナンスが挙げられます。
定期的にアンケートを取ることで、宿泊客のニーズを把握し、今後のホテル運営に反映させていくことが求められます。
ロイヤルティプログラムを導入する
ロイヤリティプログラムは、ホテルを頻繁に利用する宿泊客を対象に、特定のホテルブランドやグループを継続して選んでもらうために設計されたマーケティング戦略のひとつです。
ロイヤリティプログラムの中には、ポイントサービスや会員ランク制度、無料特典といったサービスがあり、魅力的な内容を用意することで、宿泊客の「また行きたい!」という意欲を引き出すことができます。
日本では、帝国ホテルやホテルニューオータニ、アパホテルなどがロイヤリティプログラムに力を入れています。
ポイントサービスがホテル業界に導入された経緯
ホテル業界は、サービス業である一方「装置産業」ともいわれています。装置産業とは「一定以上の生産やサービスの提供のために巨大な装置を要すると考えられる産業」のことであり、ホテルにおいては大規模な施設や設備などへの投資が不可欠であるからです。
こうした投資の回収と収益の最大化のためには、空室を極力少なくし、稼働率を高めることが重要です。そのため、ポイントサービスを駆使して優良顧客を管理し、無料や優待価格で宿泊を提供させることで長期的な顧客関係の構築が可能となります。
このように、ホテル業界では空室を無駄にせず、効率的に活用することで、顧客のロイヤリティを高め、経営の安定化を図ることができます。ポイントサービスや優待の活用は、顧客との関係を深め、長期的な利益を生むための重要な戦略です。
顧客フィードバックの収集と改善
リピーターを増やすためには、顧客フィードバックの収集とその改善が非常に重要です。顧客フィードバックの方法としては、アンケートや口頭での意見収集、口コミサイトへの投稿が挙げられます。収集したフィードバックで頻繁に言及されている問題を特定し、迅速に改善策を考える必要があります。
また、フィードバックをくれた宿泊客に対しては、お礼のメッセージを送るなどコミュニケーションを取ることも大切です。
ホテル独自の会員カードなら「VALUE GATE」
トリニティのポイントサービス「VALUE GATE」は、ホテル業界のポイント管理に適しています。「会員カードをスマホ化したい」「系列ホテル共通のキャンペーンを実施したい」などのご要望にお応えします。既存のホテル管理システム(PMS)とも連携が可能です。お気軽にご相談ください。
リピート率の高いホテルの成功事例
ここからはリピート率の高いホテルの事例をご紹介いたします。
星野リゾート
独自のブランド戦略と高いホスピタリティで知られている「星野リゾート」はリピーター率が高く、客室稼働率も約80%あります。星野リゾートがリピーターを確保するために大事にしているのは、「星野リゾートのファンになってもらうこと」だと言います。会員にポイントを付与したりディスカウント(値引き)したりするのではなく、ファンを獲得することが究極のリピーター獲得方法であるとのことです。
質の高いサービスを提供することでファンを獲得し、「また来たい!」と思ってもらえるようなホテルを実現しています。
アパホテル
アパホテルグループは、全国600以上のホテルを運営し、1971年の創業から52期連続黒字という結果を残しています。アパホテルは当初より会員カードを導入しており、会員カードでポイントが貯まり、宿泊料金の10%をキャッシュバックするという仕組みを作りました。元々ビジネスマン向けのホテルだったためキャッシュバックすることで飲み代などにも使えるため、宿泊客の満足度を向上することに成功しました。現在は、どの施設にもWi-Fiが設置されており、客室内の明るさといった空間にもこだわっています。
また、アパホテルは稼働率105%といわれています。これは、前の宿泊客のチェックアウト後から次の宿泊客のチェックイン前に日帰りサービスを提供することで1部屋を1日2回転させているからです。そういった方法により、全体的な稼働率を向上させています。
まとめ
自社ホテルの売上を安定させるためには、リピーターの獲得が欠かせません。リピーターを獲得するためにも、顧客のニーズを把握しつつ、適切な施策を実行する必要があります。情報発信やおもてなし、ロイヤリティプログラムは、リピーター獲得に重要な要素です。ぜひ参考にしてみてください。