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2025年に増えた「ポイント・会員管理の課題」とは?来年に向けた打ち手を整理

2025年も終わりが近づき、ポイント施策や会員管理について「このままでいいのかな?」と感じている方も多いのではないでしょうか。

今年は、独自ポイントやLINE活用、会員データの活用などに取り組む企業が増えた一方で、運用が追いつかない・データを活かしきれないといったご相談も多く寄せられました。

デジタル化が進み、お客様との接点が多様化する中で、ポイントや会員管理の仕組みも複雑化しているようですね。そこで今回は、2025年に特に目立った課題と、来年に向けて検討したい打ち手についてまとめてみました。

目次[非表示]

  1. 1.2025年に増えた「ポイント・会員管理」の課題
    1. 1.1.会員情報が分散していて全体像が見えない
    2. 1.2.セキュリティと個人情報保護の強化
    3. 1.3.システムが古く、施策の幅が広げられない
  2. 2.課題が顕在化した背景
  3. 3.2026年に向けて考えたい「ポイント・会員管理」の打ち手
    1. 3.1.会員データを「分断されたまま」にしない仕組みを考える
    2. 3.2.セキュリティ・個人情報保護を前提とした設計の見直し
    3. 3.3.既存システムを前提に、AIなど新しい技術を“無理なく”取り入れる
  4. 4.まとめ

2025年に増えた「ポイント・会員管理」の課題

今年多く寄せられた「ポイント・会員管理」の課題について整理していきます。

会員情報が分散していて全体像が見えない

店舗、EC、アプリ、LINEなど、顧客との接点が増えたことで、会員情報を管理するシステムも自然と増えてきました。

その結果、

  • 店舗ではPOSの会員情報
  • ECではECサイトの会員情報
  • LINEでは友だち情報
  • アプリではアプリ独自の会員情報

といったように、同じお客様の情報が複数のシステムに分かれて管理されているケースが少なくありません。個々の施策はうまく回っていても、情報がつながっていないことで活かしきれない、そんな状況に悩まれる企業が増えています。

セキュリティと個人情報保護の強化

ポイント施策や会員情報をデジタルで扱う機会が増える中で、データの安全性に対する関心が一段と高まっています。

実際、日本国内でも2024年度の個人情報漏洩インシデント件数は 約21,000件に達し、前年から約58%増加して過去最高になりました。また、個人番号(マイナンバー)に関連する漏えいも前年の約300件から2,000件以上に急増しており、企業・団体の情報管理に対する社会的な関心が強まっています。(令和6年度個人情報保護委員会 年次報告より)

こうした背景もあって、会員データやポイント情報を扱う仕組みを作る際に、セキュリティ対策や個人情報保護の体制整備をどう進めるか検討する企業が増えてきました。単にデータを集めるだけでなく、安全に扱いながら活用できる体制を整えることが求められています。

システムが古く、施策の幅が広げられない

2025年は、ポイント施策や会員管理を見直す中で、「今のシステムではできることに限界がある」と感じる場面が目立つようになった年でもありました。

たとえば、

  • 新しいキャンペーンをやりたくても、設定変更に時間がかかる

  • 他のシステムとデータをつなぎたくても、対応できない

  • ちょっとした改善でも開発や改修が必要になる

といったように、柔軟に施策を展開しづらいという課題です。

こうした背景としてよく挙げられるのが、いわゆる「2025年の崖」です。

これは、老朽化・ブラックボックス化した既存システムを使い続けることで、将来的な競争力の低下や運用コストの増大につながる可能性がある、という問題提起です。

実際、長年使われてきた会員管理やポイント管理の仕組みでは、

  • 当時の要件のまま設計されたシステムを使い続けている

  • 担当者以外がシステムの中身を把握していない

  • 拡張性を前提としていない

といったケースも少なくありません。

その結果、「やりたいことはあるけれど、今の仕組みでは難しい」という状態に陥ってしまうことがあります。2025年は、こうした制約がよりはっきりと見え始め、システムそのものを前提に施策を考え直す必要性を感じる場面が増えたのではないでしょうか。

課題が顕在化した背景

2025年は、会員施策や顧客データ活用の重要性が、これまで以上に意識されるようになった一年でした。LINE公式アカウントやデジタル施策の活用も特別なものではなくなり、多くの企業にとって「導入していて当たり前」の状態になっています。

その一方で、店舗・EC・アプリなど複数のチャネルをまたいだ顧客体験が求められるようになり、個別の施策だけでは対応しきれない場面も増えてきました。こうした変化を通じて、2025年は部分最適な取り組みだけでは限界が見え始めた年だったと言えそうです。

2026年に向けて考えたい「ポイント・会員管理」の打ち手

2026年に向けて、ポイント・会員管理で成果を出すために、今から考えておきたい打ち手を整理します。

会員データを「分断されたまま」にしない仕組みを考える

店舗、EC、アプリ、LINEなど、顧客との接点が増えたことで、会員情報が複数のシステムに分かれてしまうのは、ある意味自然な流れです。しかし、「すべてを一つのシステムにまとめなければいけない」と考える必要はありません。大切なのは、それぞれに分かれたデータを「同じお客様として把握できる状態」をつくることです。

まずは、

  • 店舗にはどんな会員情報があるのか
  • ECやアプリでは何が管理されているのか
  • LINEではどこまで把握できているのか

といったように、各システムにある情報を洗い出して整理することから始めます。

その上で、

・会員ID

・個人情報(氏名やメールアドレスなど)

・来店・購買履歴

など、最低限つながっていると判断しやすい情報は何かを見直していきます。
すべてのデータを完璧につなぐ必要はなく、「誰に、どんな施策を行うために、どの情報があれば十分か」という視点で考えることがポイントです。

こうした整理を行うだけでも、施策の立て方が明確になり、分析や振り返りもしやすくなります。結果として、ポイント施策や会員施策を“感覚”ではなく、根拠を持って考えられる状態へと近づいていきます。

セキュリティ・個人情報保護を前提とした設計の見直し

2026年に向けて、会員施策を考えるうえで欠かせないのが、セキュリティと個人情報保護を前提にした設計です。

ポイントや会員データは、便利である一方、扱い方を誤ると企業にとって大きなリスクにもなります。

まず考えたいのは、

  • どの情報を取得しているのか
  • 本当にその情報は必要なのか
  • 誰が、どの範囲までアクセスできるのか

といった基本的な整理です。

「将来使うかもしれないから」と情報を集めすぎてしまうと、管理コストやリスクだけが増えてしまいます。

また、システムやツールを追加する際には、既存の個人情報管理ルールや社内フローと矛盾がないかを確認しておくことも重要です。施策ありきで進めるのではなく、「安全に運用できるか」という視点を最初から持っておくことで、後からの修正や見直しを減らすことができます。

既存システムを前提に、AIなど新しい技術を“無理なく”取り入れる

2025年は、生成AIをはじめとする技術が一気に身近になった一年でした。

業務での活用事例やツールも増え、「AIで何ができるのか」という情報自体は多く目にするようになっています。

一方で、企業の現場を見ると、実際の業務に取り入れられているケースはまだ限定的なのが実情です。理由としては、既存システムとの兼ね合いや、セキュリティ・個人情報の扱いへの不安、どこから手をつければよいか分からない、といった点が挙げられます。

そのため、2026年に向けて重要なのは「すべてをAIに置き換える」ことではなく、「使えそうな領域を見極める」ことです。

例えば、

・問い合わせ対応の一次対応をAIで補助する

・会員データの整理や分類を効率化する

・キャンペーン結果を分析し今後の戦略をたてる

といったように、影響範囲が限定された業務から検討することで、無理なく取り入れることができます。

また、国としてもDX推進やAI活用を後押しする流れは続いており、中小企業向けの支援策やガイドラインも整備されつつあります。「いつかやる」ではなく、「検討を始める」だけでも、来年以降の選択肢は大きく変わってきます。

既存のシステムを前提にしながら、負担を増やさず、少しずつ改善していく。

その積み重ねが、2026年に向けた現実的で続けやすい打ち手と言えそうです。

まとめ

2025年は、ポイント施策や会員管理において「デジタル化が進んだ一方で、運用や活用が追いついていない」そんな状況が見え始めた一年だったように感じます。

会員データが分断されたままになっていたり、セキュリティや個人情報保護への配慮がより強く求められたり、システムの制約によって新しい施策に踏み出しづらかったり。

こうした課題は、どれか一つだけを解決すれば良いものではありません。

だからこそ2026年に向けては、すべてを一気に変えようとするのではなく、現状を整理し、無理のない形で整えていくことが大切になってきます。

会員データを「同じお客様として把握できる状態」に近づけること。
セキュリティや個人情報保護を前提に、安心して続けられる施策を考えること。
そして、既存の仕組みを活かしながら、AIなど新しい技術を少しずつ検討してみること。

2025年の振り返りを通して見えてきた課題は、2026年に向けた改善のヒントでもあります。

まずは「今の状態を知ること」から、次の一歩を考えてみてはいかがでしょうか。

株式会社トリニティ
株式会社トリニティ
2000年よりポイントサービス事業を開始。商業施設やスーパー、ホテルや飲食店など店舗を複数経営している企業に対し、お店のファンを増やすための販促ツールとしてポイントサービスおよび周辺ソリューションを提供しています。

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