【DXって何?】成功するDXの進め方をご紹介します!
目次[非表示]
- 1.DX とは?
- 1.1.DXが必要とされる背景
- 1.1.1.(1)「2025年の崖」問題
- 1.1.2.(2)消費者ニーズの変化・多様化
- 1.2.(3)労働力人口の減少
- 1.3.DXとIT化の違い
- 2.DXを進める2つのメリット
- 2.1.(1)人材不足対策やコストカット
- 2.2.(2)マーケットの拡大
- 3.DXの進め方6つのプロセス
- 3.1.(1)DXの現状把握と目標設定
- 3.2.(2)プロジェクトチームの発足
- 3.3.(3)具体的な戦略を立てる
- 3.4.(4)組織全体の業務をデジタル化する
- 3.5.(5)ビジネスモデルや事業をデジタル化する
- 3.6.(6)PDCAを長期で実施する
- 4.DXを進めるうえでの注意点
- 4.1.IT人材を育成する・IT教育を充実させる
- 4.2.「DXの先」を考える
- 4.3.全社的な改革を行う
- 5.DX推進に役立つ3つのツール
- 5.1.営業・マーケティングツール
- 5.2.経理・会計ツール
- 5.3.人事・労務システム
- 6.まとめ
DX とは?
最近よく耳にするようになった言葉に「DX」があります。DXとは「デジタルトランスフォーメーション」の略で、直訳すると「デジタル変革」という意味です。経済産業省が提唱する定義は下記のようになっています。
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。 |
出典:『デジタル・ガバナンスコード2.0』経済産業省 2022年9月13日
しかし、DXは単純にデジタル化すれば良いというものではありません。こちらでは、DXが必要とされるようになった背景や、DX化とIT化との違いについて、詳しく解説していきます。
DXが必要とされる背景
DXの推進がなぜ注目されているのでしょう。こちらではDX化を推進すべき理由となった3つの背景について詳しく解説していきます。
(1)「2025年の崖」問題
日本でDXが注目されるようになったのは、2018年に経済産業省で設置された研究会が発表した「DXレポート〜ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開〜」がきっかけです。このレポートでは、DX実現化のためのITシステムに関する現状の課題、対応策、今後の方向性が記されています。そのなかで注目されたのが、DXに対する今後の取り組み方です。今後DXへの取り組みを推進していかなければ、2025年以降に最大12兆円の経済損失が生じる可能性があることが算出されました。最大12兆円の経済損失はあくまでも年間の損失です。DXに取り組んでいない場合は、2025年以降、毎年経済損失が生じていくことになるという衝撃的な予測がされました。レポートの中で使われている言葉「2025年の崖」は人々に大きな影響を与え、国内企業のDXに対する認識が高まる大きなきっかけとなっています。
(2)消費者ニーズの変化・多様化
スマートフォンの普及やコロナ禍の影響を受け、消費者ニーズにも変化や多様化が求められています。以前は、商品情報を得ても購入するまでに気持ちが変わってしまうことがありましたが、最近では、スマートフォンで気軽に購入できる商品やサービスが増えています。消費者がTVやネットで情報を得た瞬間、あるいは口コミでおすすめされた瞬間に購買行動することが多くなりました。そのため、ECの定着が以前より加速しています。企業は差別化を図るためEC化を進めるだけではなく、さまざまなマーケティングの戦略を進めなければなりません。消費者に新たな購買体験や満足度を与える施策が求められています。
例えば、インターネット上のオンラインから店舗などのオフラインへ消費者を誘導する「O2O」、オンラインとオフライン分け隔てなくすべてのチャネルを連携させて顧客と接点を持つ「オムニチャネル」、オンラインとオフラインを融合する「OMO」など、マーケティングの戦略も多様化しています。
(3)労働力人口の減少
日本では少子高齢化が進み、深刻な労働力人口の減少に悩まされています。未婚化・晩婚化・子育て費用の負担増などで少子化が進み、出生者数が死亡者数を下回る状況が続いているからです。年代別の人口構成にも変化が表れており、65歳以上の高齢者人口が14歳未満の子どもの人口を上回っている状態です。このまま続くと、労働力人口は減少の一途をたどっていくでしょう。現状を打破する切り札として、政府は「働き方改革」を推進していますが、企業は労働力だけに頼るのではなく、積極的にIT化やDX化を進めていく必要があります。
DXとIT化の違い
DX化と混同されやすい言葉のひとつに「IT化」があります。IT化とは、インターネットなどのネットワーク技術によって、作業や業務の効率化を図るという意味です。つまり、これまでアナログで作業していたことをIT化することによって、作業・業務時間を短縮できるようになります。一方、DXとは、デジタル技術を活用することによって、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革していくことを意味します。IT化の目的は「生産性の向上」ですが、DX化の目的は「ビジネスモデルの変革」です。IT化はDX化の手段の一つにすぎません。
DXを進める2つのメリット
企業がDXを進めることでどのようなメリットがあるのでしょうか。
(1)人材不足対策やコストカット
Digitalization(デジタライゼーション)とも密接に関連していますが、DXを実施する利点の一つは、業務効率化によるコスト削減です。現行のシステムはアナログのまま最適化がなされていますが、デジタルによる根本的な業務効率化の取り組みが不足している企業が依然として多く存在します。もし導入できれば、業務改善が可能となり、既存のリソースを他の目的に充てたり、人材不足の問題にも寄与します。
(2)マーケットの拡大
「自社の強み × 最新技術」により、市場を根本的に変革する革新的なプロダクトを開発している企業が増加しており、「自社が抱える課題は、同業他社にも共通する課題である」という考え方が広まっています。つまり、自社の課題に対して徹底的な解決策を見出せるシステムを構築すれば、それは業界全体の課題を解決できる画期的なプロダクトとなり、一気に市場を変える可能性を秘めています。
DXの進め方6つのプロセス
ここからはDXの進め方や細かいプロセスが知りたいという方のために、DXの進め方を細かく解説していきます。このプロセスが理解できれば、DXの具体的な進め方が検討できるようになるでしょう。
(1)DXの現状把握と目標設定
DXとはデジタル技術を活用して「業務や組織を変革していくこと」です。漠然とDX化したいという想いだけでは、何をどのように始めたら良いのか分からなくなってしまうでしょう。
具体的な施策を打ち出し、意識すべき課題や行動を明確にするためにも、まずは現状を把握し、何が問題でどのような変革を行いたいのかという目標を設定することが大切です。経営層がDXに強く望む姿勢を見せることで、今後の企業の方向性が見えてきます。
(2)プロジェクトチームの発足
DX推進は、特定の部署だけで取り組むのではなく、組織全体で取り組む必要があります。まずは、経営層が変革へ向けた理念やビジョンを示し、組織全体で同じ方向に進まなくてはなりません。ただし、日常業務と並行して行うと、DXにばかり関わることができず中途半端になってしまうこともあります。DX化に対する集中力を高めるためにも、プロジェクトチームを設立するのがおすすめです。組織レベルの変革においては、部門を越えた組織全体の協力が必要です。
IT人材を中心にさまざまな部署から人材を選抜し、DX推進に向けたプロジェクトチームを発足することで、組織全体の協力体制が整っていくでしょう。
(3)具体的な戦略を立てる
DXは企業変革そのものです。DXを推進する体制が整ったら、変革に必要なDX戦略を決めていく必要があります。ただやみくもに、ITを導入すれば良いというわけではなく、ITの導入によって事業がより良く変革され、市場競争上の優位性を確立するために、どのようにすれば良いのかを十分に検討していかなければなりません。
実行可能なスケジュールを立て、必要なリソースを十分に確保することが大切です。DX推進を急ぐばかりに、社内のシステムを全て刷新すると社内は混乱します。まずは、影響の少ない分野や小規模なことからITシステムの導入を始めるなど、スモールスタートを意識することが大切です。
(4)組織全体の業務をデジタル化する
DX推進は、組織全体の業務をデジタル化へ移行していくことが近道です。紙ベースでやり取りしている書類がデジタル化すれば、DXが進めやすくなります。デジタル化しても支障がない紙ベースのやり取りは、極力デジタル化へ移行していくのがおすすめです。
アナログだったものがデジタル化することで、外出時やテレワークでもアクセスできるようになります。また、組織全体で、一貫性のあるシステムを導入することも重要です。現状の問題として、従来のシステムが老朽化していたり属人化していたりして困っているケースは数多くあるでしょう。業務をデジタル化することや新システムへのデータ連携ができなければ、現状の問題を何一つ解決できません。組織全体でデータ連携ができない場合は、企業資産でもある貴重なデータを有効活用できないという問題点も生まれます。DXを滞りなく推進していくためには、組織全体の業務をデジタル化へ移行していくこと、一貫性のあるシステムを導入することが大切です。
(5)ビジネスモデルや事業をデジタル化する
組織全体のDX化が進んだら、企業のビジネスモデルや事業もデジタル化していくことが大切です。現在、多くの業界ではデジタル化を追い風に、以下のようなビジネスモデルや事業が多数誕生しています。既存の枠にとらわれることなく、デジタル技術を駆使したビジネスモデルや事業が今後成長していくでしょう。
- ハードウェア、クラウドサービス、AI、IoTなど、DXに関連付けた商品をセット化して提供するプラットフォーム
- 定額制でモノやサービスを届けるサブスクリプション
- 基本機能を無料にし有料の拡張版で顧客を獲得するフリーミア
- 個人や企業の保有物を第3者に貸し出すシェアリング
- 顧客の属性をあらかじめ分析し自社のサービスを最適化していくパーソナライゼーション
弊社のポイントサービス「VALUE GATE」は店舗DXに取り組みたいと考えている企業におすすめです。「紙の会員カードをスマホ化したいけどどうすればいいのかわからない」、「実店舗とオンラインショップの顧客情報を一元管理したい」など店舗が抱えている課題を解決します。店舗における業務の効率化を計り、店舗運営のDXを推進させることができます。
弊社のポイントサービス「VALUE GATE」は店舗DXに取り組みたいと考えている企業におすすめです。「紙の会員カードをスマホ化したいけどどうすればいいのかわからない」、「実店舗とオンラインショップの顧客情報を一元管理したい」など店舗が抱えている課題を解決します。店舗における業務の効率化を計り、店舗運営のDXを推進させることができます。
(6)PDCAを長期で実施する
DXの推進は、一度に達成させるのではなく、PDCAサイクルを回しながら常時進化させていくことが大切です。DXを成功させるためには、継続的にデータの収集を行い、生産性に変化がないかを確認していく必要があります。また、DX化は1つのツールで実現するのではなく、複数のツールやシステムを使うこともあります。それぞれの問題点や課題を抽出し、ツールの使用頻度、方向性、IT化による生産性の変化などを定期的に確認することも必要です。予定通りの成果が得られていない場合は、見直しや中断する判断も必要となるでしょう。
間違った方向で進みつつあるときに、早めに軌道修正できるような体制づくりができていれば安心です。PDCAを定期的に実施することで、変革のために必要なアップデートが可能となり、業務や従業員に寄り添ったDX化を進めることができます。
DXを進めるうえでの注意点
社会全体がDXに向かっており「2025年の崖」の課題もあることから、DX推進を進める企業は増えています。段階を踏みながら組織全体で取り組んでいくということが分かっていても、実際DXが上手く進んでいる企業は少ないでしょう。そこで、DXを進めるうえで心掛けておきたい3つの注意点をご紹介します。
IT人材を育成する・IT教育を充実させる
DXを進めていくためには、ITに関するスキルとノウハウを持つ人材が欠かせません。しかし、IT人材は常に不足しており、どの企業も獲得することが難しくなっています。IT人材が獲得できないことが原因で、DX化がなかなか進まないというケースも多く、DX推進に不可欠なデジタル人材育成がDXの進展に伴うデジタル人材需要の高まりに追いついていない状態です。DX推進のためには、ITシステムだけではなく、IT人材の「確保」と「育成」を行う人材への投資が鍵となります。
また、DXは一時のものではないため、常に新しい知識と技術が必要です。そのため、社内でIT人材を育成するための環境を整え、IT教育を充実させていくことも重要になってきます。DXを推進していくうえで、IT人材が社内で育成・教育するのが難しい場合は、外部への委託を検討しなければなりません。
「DXの先」を考える
DXというとデジタルの方に目を向けがちですが、どちらかというとトランスフォーメーション (変革)の方に目を向けなければなりません。デジタル化や業務の効率化がゴールなのではなく、企業としてデジタル技術を活用し、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革したことによって何を得ていくのかを考えていく必要があります。DXの先に何を目指すのかを明確にし、そのために今何ができるのか、何をすべきなのかという課題を見つけていくことが重要です。成長している企業では、DXの新たな価値に着目し、顧客の心を動かす購買体験やサービスへの取り組みを積極的に行っています。デジタル化や業務の効率化だけに留まらない、新たな価値を創造していくことがDXなのです。
全社的な改革を行う
企業全体の変革を行うためには、DXに全社で取り組まなければ意味がありません。一部門だけあるいは現場だけなど、部分的な改革では全体の業務効率化が望めないからです。DXの進め方6つのプロセスでご紹介したとおり、まずは経営層が変革へ向けた理念やビジョンを示し、組織全体で同じ意識を持つように進めましょう。DXは、すぐに完了するものではありません。スモールスタートで始め、PDCAで最適化しながら進めていく必要があります。
DX推進に役立つ3つのツール
ここからはDXの推進に役立つ3つのツールを紹介します。
営業・マーケティングツール
顧客獲得が重要なビジネスモデルや営業活動に課題がある場合は、営業・マーケティング支援ツールの検討が有益です。営業プロセスの可視化・改善から顧客管理の一元化まで、さまざまな種類が存在するため、自社の課題に適したものを選ぶことが重要です。さらに、MA(マーケティングオートメーション)ツールを用いることで、マーケティング活動の強化を通じて、結果的に営業にかかるコストを削減できる可能性も考えられます。
経理・会計ツール
請求や経費精算を効率的に行うツールは、あらゆる業種のデジタルトランスフォーメーション(DX)を促進します。経理や会計業務は日常的に絶え間なく発生し、手作業での処理は担当者にとって負担が大きいものです。そのため、これらの業務を効率化するツールは、従業員満足度の向上という観点からも効果的です。
人事・労務システム
人事・労務管理や採用支援のツールは、企業の規模や業種を問わず、従業員の経歴、スキル、評価に関する情報をシステムで効果的に一元管理することで、適切な人材配置と効果的な採用・教育が可能となります。これにより、一人ひとりの能力を最大限に発揮させることができます。
まとめ
DXの内容や必要とされるようになった背景について解説しました。「2025年の崖」はすぐそこまで迫っています。DXはすぐに完了するものではないため、早急に取り組む必要があります。ご紹介した進め方のプロセスや注意点を、ぜひ自社のDX化の参考にしてください。