
複数ブランドや店舗・EC横断で使える!グループ共通ポイントのつくり方
「せっかくポイントを貯めても、ブランドが違うと使えない…」「ECで貯めたポイント、実店舗では使えない…」
お客様からそんなお声をいただいたことありませんか?
最近、複数ブランドや実店舗とEC両方を運営している企業などで、顧客のポイントや会員情報の管理がバラバラで困っているというケースをよく見かけます。
本記事では、現状の課題を踏まえ、どのように進めていけばよいのかを解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
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なぜ今、グループ共通ポイントが必要なのか?
複数ブランドや姉妹店、さらにはECと実店舗を持つ企業の間で、「グループ共通ポイント」の重要性が高まっています。
では、なぜ今このタイミングで必要なのか、具体的な理由を見ていきましょう。
顧客の購買行動はますます多様化している
最近の顧客は、ブランドやチャネルの垣根をあまり意識しません。実店舗で商品を試着してからECで購入したり、あるブランドで貯めたポイントを姉妹店で使ったり、スマホアプリで予約して店舗でポイントを利用したりすることも珍しくありません。顧客は便利で使いやすい方法を優先して行動するため、ここでポイントの共通化がなければ、せっかく貯めたポイントが使えず、離脱につながるリスクがあります。
ブランドやチャネルごとの分断は機会損失に直結する
ブランドやチャネルごとにポイントや会員情報が別々に管理されていると、企業側はせっかくの顧客行動を十分に活かせなくなってしまいます。たとえば、Aブランドで貯めたポイントがBブランドでは使えない場合、顧客は「どうせポイントが使えないなら」とAブランドだけで完結しがちになり、Bブランドでの購買機会を逃すことにつながります。本来なら、気軽に別ブランドへ回遊してくれたかもしれないのに、ポイントの制約によってその一歩が生まれにくくなるのです。ECと実店舗が別管理の場合も同じで、ポイントの使いづらさが顧客の行動を制限してしまいます。
データの統合で戦略的に活用できる
ポイントや会員情報を共通化すると、ブランドやチャネルを横断した顧客データの分析が可能になります。これにより、どのブランドを起点に他ブランドへの購買が広がっているのか、ECで購入した顧客が店舗に訪れる頻度はどの程度か、といった情報を把握できます。こうしたデータをもとに販促施策やクロスユース施策を打つことで、より効果的に顧客の行動を促し、LTV(顧客生涯価値)を高めることができます。
複数店舗・チャネルにありがちな課題とは?
複数ブランドや姉妹店、さらにはECと実店舗をまたぐ運営では、顧客データやポイントがバラバラになりやすく、企業にとっても顧客にとってもストレスになりがちです。
ここでは、よくある課題を具体例とともに見ていきましょう。
ブランドやチャネルごとに会員情報やポイントが別々
例えば、同じ企業が運営する「カジュアル服ブランドA」と「アウトドアブランドB」。
- Aブランドで貯めたポイントはBブランドでは使えない
- Bブランドで買い物をした履歴は、Aブランドには反映されない
結果として、顧客は「別ブランドで買い物をしてもメリットがない」と感じ、ブランド間での回遊が生まれにくくなります。
また、企業側も「同じ顧客がどのブランドに関心を持っているのか」が見えず、マーケティング施策に活かせません。
グループ全体での分析ができない
ブランド・EC・店舗が分断されていると、グループ全体の顧客動向を把握することが難しくなります。
- どのブランドを起点に顧客が回遊しているかがわからない
- 優良顧客の購買履歴や利用履歴がブランドごとに散らばる
- クロスユース(ブランド間でのポイント利用)の効果測定ができない
結果として、販促施策を打っても効果測定が曖昧になり、次の戦略に生かしづらくなります。
システム統合が難しすぎる
システムが分断され、統合が進まない背景には、簡単には乗り越えられない壁がいくつもあります。各ブランドやチャネルで導入しているシステムベンダーが異なったり、POSやECの仕様がそれぞれ違ったりすると、情報を一元化するだけでも容易ではありません。さらに、API連携ができなかったり、仕様上うまく同期できなかったりといった技術的な制約もあり、統合のハードルを高くしています。
その結果、ポイントや会員情報は分断されたままになり、ブランド間やチャネル間で統一的な管理ができなくなります。顧客にとっても、どこで買ってもスムーズにポイントを使えない状況が続き、企業側も全体の顧客データを分析して販促施策に活かすことが難しくなってしまいます。
こうした技術的な制約やシステムの違いを前にすると、「どこから手を付ければいいのか分からない」と感じる方も多いでしょう。まず着目すべきは、顧客体験とデータの活用です。どのチャネルであっても、顧客がスムーズにポイントを貯めたり使えたりすることを優先し、逆に統合の優先度が低くても影響が少ない部分は後回しにする、といった視点で考えると取り組みやすくなります。
グループ共通ポイント導入で得られる価値
グループ共通ポイントを導入すると、企業と顧客の行動が「単独のブランド内」から「グループ全体」へと広がり、多くの価値が生まれます。ここでは、その代表的なメリットをご紹介します。
グループ内での“回遊”が自然に生まれる
共通ポイントの大きな価値は、顧客がグループ内を自由に行き来しやすくなることです。
たとえば、アパレルの本ブランドで貯めたポイントを、雑貨の姉妹店で使えるようにすれば、顧客はこれまで立ち寄らなかった店舗にも足を運びやすくなります。
実店舗とECの往復も同じで、店舗で貯めたポイントをECで利用したり、その逆も可能になれば、顧客は好きなタイミング・好きなチャネルで購入できるようになります。
LTV(顧客生涯価値)の向上につながる
単一ブランドだけで顧客を囲い込もうとすると、接点にはどうしても限界があります。しかし、グループ全体でポイントを共有できれば、顧客が複数ブランド・複数チャネルに触れる機会が一気に増えます。
結果として購入頻度が高まり、ブランド横断での購買につながり、企業全体のLTV向上に直結します。
「1ブランドの顧客」ではなく、「グループ全体の顧客」として育てられるのが共通ポイントの強みです。
顧客データがグループ横断で「見える化」される
ポイント統合は、データ統合でもあります。
複数ブランドやチャネルのデータが一つに集約されると、
- どのブランドを入口にして広がっているのか
- クロスユース率はどれくらいか
- どのブランド間で相互送客が生まれているのか
といった“横断的な顧客行動”が明確になります。
これらは単独ブランドでは見えなかった洞察で、グループ全体の販促戦略を考える上で大きな武器になります。
販促施策をグループ全体で効率的に展開できる
ポイントキャンペーンも、ブランド単位ではなくグループ単位で行えるようになります。
全ブランド共通のキャンペーンを一括で展開したり、ブランドごとに微調整したインセンティブを設定したりと、柔軟な設計が可能です。
その結果、キャンペーンの波及効果がグループ全体に広がり、効果測定も横断的に行えるようになります。
グループ共通ポイントは、顧客にとって便利な仕組みであるだけでなく、企業にとっても売上拡大・データ活用・販促効率化など、さまざまな価値をもたらします。うまく活用すれば、ブランド単体では実現できなかった成長をグループ全体で生み出すことができるのです。
グループ共通ポイントを成立させるための3つの土台
グループ共通ポイントをうまく運用するためには、ただシステムをつなげるだけでは不十分です。顧客にとって便利で、企業側にとっても戦略的に活用できるポイント制度を作るには、いくつかの「土台」が必要です。ここでは、特に重要な3つの土台をご紹介します。
土台1.顧客データの統合
まず不可欠なのは、顧客情報やポイント履歴をグループ全体で統合できる仕組みです。複数ブランドや店舗、ECなどでバラバラに管理されているデータを一元化することで、どのチャネルでもポイントが正しく反映され、顧客はスムーズにポイントを貯めたり使ったりできます。統合されたデータは、どのブランドやチャネルで顧客が行動しているかを分析する基盤にもなり、販促やクロスユース施策に直結します。
土台2.統一されたポイントルール
次に重要なのは、ポイントの付与率や有効期限、利用条件などルールの統一です。顧客は、ブランドやチャネルごとにルールが違うと「ポイントを使いにくい」と感じ、せっかく貯めたポイントが活かされません。ルールを統一することで、どのチャネルで使っても同じメリットを得られ、ブランド間やEC・店舗間の回遊を自然に促すことができます。
土台3.スムーズなシステム連携
最後に欠かせないのが、システム同士のスムーズな連携です。POSやEC、会員管理システムが異なる場合でも、APIやデータ連携などで情報を正確かつリアルタイムに同期できる設計が求められます。システムがうまく連携していれば、顧客はチャネルをまたいでもポイントがすぐ反映され、企業側もデータを分析して効果的な施策に活かすことが可能です。
この3つの土台がそろうことで、初めてグループ共通ポイントは顧客にとって便利で、企業にとって価値のある仕組みとして機能します。どれか一つでも欠けてしまうと、ポイントの使い勝手が悪くなったり、データ活用が難しくなったりしてしまうため、設計段階から慎重に整えることが大切です。
グループ共通ポイントの実現方法
いざグループ共通ポイントを始めたいと思っても、どこから手をつければいいのか迷う企業は少なくありません。
ブランドもチャネルもシステムもバラバラな状態からスタートするケースが多いため、どう組み立てればうまくいくのかのイメージを持つことが大切です。
ここでは、共通ポイントを導入する際に選ばれやすい3つのアプローチをご紹介します。
どれが正解というわけではなく、自社の状況や将来の展開を見据えて最適な方法を選ぶためのヒントとして、まずは全体像を掴むところから始めてみてください。
自社開発で統合基盤を構築する
1つ目は、まっさらな状態から自社で統合基盤を作り上げる方法です。
自由度が高く、グループの理想像に合わせてポイントルールやデータ統合の仕組みを設計できる点は大きな魅力です。
ただし、新規構築には大きな負担が伴います。開発コスト・期間は膨らみやすく、関係ブランドが多いほど要件調整も複雑になります。連携先のPOSやECが多い場合は、システム間の接続も高度で、保守運用の負荷も避けられません。
各ブランド側のシステムを部分連携してまとめる
2つ目は、既存システムを活かしながら部分的に連携し、共通ポイントをなんとか成立させる方法です。フルリプレイスに比べて手軽で、比較的導入しやすいアプローチと言えます。
一方で、リアルタイム性や連携範囲には限界があります。ブランドやEC・店舗の仕様がバラバラなまま繋ぎ込むため、ポイント反映のタイミングにズレが生じたり、履歴整合性を保つのが難しくなる場合もあります。
あくまで暫定的な統合として適しており、複雑なグループ施策を展開するには制限が多くなってしまう可能性も考えられます。
グループ横断型のポイント管理システムを利用する(推奨)
3つ目は、複数ブランド・EC・店舗を一元管理するための専用システムを導入する方法です。
もっとも現実的かつ拡張性が高く、多くの企業が選択するアプローチです。
この仕組みでは、EC/店舗/ブランド間のポイント反映をリアルタイムで統合でき、会員IDも一体化できるため、複雑なシステム連携を自前で構築する必要がありません。
取消処理・利用履歴ログなど不正防止の仕組みも揃い、さらにキャンペーンも全ブランド横断で一括管理できるため、運用負荷を軽減しながら戦略的に活用できます。
月額コストは発生しますが、自社開発や部分連携で必要となる開発費や保守負担と比べると、総合的には負担を抑えつつ安定的に運用できる選択肢の一つと言えます。
VALUE GATEなら実現できるポイント
ここまで「グループ共通ポイントをどう実現するか」という選択肢を見てきましたが、実際に導入を進めるとなると、複数ブランド・EC・店舗を横断して運用できる実績のある仕組みが必要になります。
以下に、弊社ポイントサービス「VALUE GATE」で実現できることをまとめましたので、参考にしてみてください。
統合基盤としてブランド・チャネルをつなぐ
VALUE GATEは、複数ブランドやEC・実店舗を一つの共通IDと共通ポイントでつなぐ統合基盤として機能します。
ポイントの即時同期はもちろん、付与・利用・取消といった履歴もすべて記録されるため、安心して運用できます。
柔軟なポイントルールにも対応
各ブランドやチャネルごとに異なるポイントルールにも柔軟に対応可能です。
例えば「本ブランドでは1%付与、姉妹店では2%付与」「EC限定ボーナスポイント」など、これまで個別管理で難しかった施策も無理なく実現できます。
グループ全体のキャンペーンを一括管理
複数ブランドを横断したキャンペーンや、クロスユース促進の施策も一括管理できます。
さらに、実施したキャンペーンの効果測定として、「どのブランドをきっかけに来店が促されたか」や「どのチャネルでポイント消費が多いか」といったデータも可視化され、マーケティング精度を高めることができます。
まとめ
グループ共通ポイントは、単なるポイント制度の統合ではなく、顧客体験を向上させ、グループ全体の売上やマーケティング効果を高める戦略的な施策です。
複数ブランドやチャネルが分断されたままだと、顧客はポイントを使いにくくなり、企業も貴重なデータを活かしきれません。しかし、統合基盤を整え、ルールやシステムを最適化することで、顧客の回遊やクロスユースが自然に生まれ、LTVの向上や販促効果の最大化につなげることができます。
自社開発や部分連携などさまざまな方法がありますが、負荷を最小化しつつ安定的に運用したいなら、グループ横断型のポイント管理システムの活用が現実的な選択肢です。
VALUE GATEのようなプラットフォームを活用すれば、複雑なブランド横断・チャネル横断もスムーズに実現可能です。
まずは、自社にとって最も重要な顧客体験やデータ活用のポイントに着目し、小さくても確実にステップを踏むことから始めるのが成功の近道です。








