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会員ランク導入の完全ガイド!メンバーシッププログラム成功のための4つのポイント


メンバーシッププログラムを強化し、リピーターを増やしたい—そんな課題をお持ちではありませんか?
会員ランク制度は、顧客ロイヤルティを高め、売上を伸ばす強力な仕組みですが、設計を間違えると効果が出にくく、運用が難しくなることも。
本記事では、会員ランク制度の基本から、設計・運用のポイント、成功のための具体的な手順までを分かりやすく解説します。「これから導入を考えているけど、何から始めればいいかわからない…」という方は必見!メンバーシッププログラムを成功に導くヒントをお届けします。


目次[非表示]

  1. 1.会員ランク制度の起源とその発展
    1. 1.1.FFP(Frequent Flyer Program)の誕生
    2. 1.2.FSP(Frequent Stay Program)への発展
    3. 1.3.小売・EC業界への拡大
  2. 2.デジタル化による進化
    1. 2.1.データ活用によるパーソナライズ化
    2. 2.2.オンラインとオフラインの融合(OMO)
  3. 3.なぜ会員ランク制度が注目されるのか?
    1. 3.1.顧客との継続的な接点を生む
    2. 3.2.ブランドの差別化
    3. 3.3.購買単価のアップ
    4. 3.4.データ収集とマーケティングの強化
  4. 4.会員ランク導入の手順
    1. 4.1.目的の明確化
    2. 4.2.ランクの設計
    3. 4.3.特典の設定
    4. 4.4.システム選定
    5. 4.5.運用体制の構築
    6. 4.6.プロモーション戦略
  5. 5.成功させるための4つのポイント
    1. 5.1.1.シンプルなランク設計で分かりやすく
    2. 5.2.2.特典の魅力度とコストのバランスを取る
    3. 5.3.3.データを活用し、定期的に見直す
    4. 5.4.4.競合との差別化ポイントを明確にする
  6. 6.まとめ


会員ランク制度の起源とその発展

会員ランク制度の起源は、1980年代に航空業界で誕生したフリークエント・フライヤー・プログラム(FFP:Frequent Flyer Program)にさかのぼります。これに続いて、ホテル業界がフリークエント・ステイ・プログラム(FSP:Frequent Stay Program)を導入し、その後、小売業やEC業界にも広がっていきました。

FFP(Frequent Flyer Program)の誕生

航空業界では、1981年にアメリカン航空が「AAdvantage(アドバンテージ・プログラム)」という世界初のFFPを開始しました。FFPは、飛行距離や利用頻度に応じてポイント(マイル)を付与し、一定のステータスを達成した顧客には上級会員としての特典(優先搭乗、ラウンジ利用、無料航空券など)を提供する仕組みです。
このプログラムが成功した背景には、航空業界特有の「固定コストの高さ」が関係しています。飛行機は、空席が多くても満席でも、燃料費や運航コストはほぼ変わりません。そのため、上位顧客に無料航空券を提供しても、航空会社にとってのコスト負担は少なく、それでいて顧客満足度を高めることができました。この仕組みが航空会社の利益につながることから、FFPは急速に普及していきました。

FSP(Frequent Stay Program)への発展

航空業界のFFPの成功を受けて、ホテル業界も同様の仕組みを導入しました。1983年、ホリデイ・インが「Priority Club(現 IHG One Rewards)」を立ち上げたのを皮切りに、マリオットやヒルトンなどの大手ホテルチェーンがFrequent Stay Program(FSP)を開始しました。
FSPは、宿泊回数や利用額に応じて特典(部屋のアップグレード、無料宿泊、レイトチェックアウトなど)を提供するプログラムです。航空会社と同様に、ホテルも空室がある場合、追加コストを抑えながら顧客満足度を向上させることができるため、FSPは効果的なロイヤルティ戦略として定着しました。

小売・EC業界への拡大

航空・ホテル業界で確立されたこの会員ランク制度は、小売・EC業界にも波及しました。例えば、楽天の「ダイヤモンド会員」やAmazon Prime、Costcoの「エグゼクティブメンバーシップ」などは、購買頻度や金額に応じた特典を提供し、顧客の継続利用を促す仕組みになっています。
このように、会員ランク制度は「優良顧客への優遇施策」として進化し、現在では多くの業界で採用されています。企業にとっては、顧客ロイヤルティを高め、LTV(顧客生涯価値)を最大化する手段として非常に有効な戦略となっています。


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デジタル化による進化

近年、会員ランク制度はデジタル技術の進化によって大きく変化しています。従来の航空会社やホテルのポイントカードは、物理的なカードを提示して利用する形式が主流でしたが、現在ではスマホアプリやWebサイトによって、より柔軟で高度な会員管理が可能になっています。

データ活用によるパーソナライズ化

デジタル化によって、企業は顧客の行動データをリアルタイムで取得・分析できるようになりました。これにより、単に「利用頻度が多い=上位顧客」とする従来の方法に加え、購買傾向の分析や行動予測などを加味した柔軟なランク設定が可能になっています。

オンラインとオフラインの融合(OMO)

小売・飲食業界では、会員ランク制度がオンラインとオフラインの両方で統合的に管理されるようになりました。
例えば、スターバックスの「Starbucks Rewards」は、アプリで事前注文・支払いをすると、ポイントが自動的に加算され、ランクアップにつながる仕組みを採用しています。
また、大手百貨店やアパレルブランドも、リアル店舗での購買データとECサイトでの購買データを統合し、一貫した会員ランクを適用する動きが進んでいます。

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なぜ会員ランク制度が注目されるのか?

企業が継続的な売上を確保し、競争の激しい市場で生き残るためには、新規顧客獲得だけでなく、既存顧客の維持(リテンション)が不可欠です。
その中で、会員ランク制度を含むメンバーシッププログラムは、以下の点で大きな価値を持っています。

顧客との継続的な接点を生む

会員ランク制度は、顧客との長期的な関係を築くための強力な手段です。ランクアップを目指すことで、顧客は定期的にブランドと接触する機会が増え、継続的な利用を促進できます。また、特典やキャンペーン情報を定期的に提供することで、顧客の関心を維持し、エンゲージメントを高める効果も期待できます。

ブランドの差別化

競争が激しい市場において、ブランドの独自性を打ち出すことは非常に重要です。会員ランク制度を活用すれば、特典やサービスの差別化を図り、他社とは異なる価値を提供できます。例えば、VIP会員限定のサービスや体験型イベントを用意することで、顧客に「このブランドだからこそ得られる特別な価値」を感じてもらえます。

購買単価のアップ

ランクアップの条件として「年間購入金額〇〇円以上」などを設定することで、顧客の購買意欲を高め、単価の向上につなげることができます。特に、上位ランクに魅力的な特典を用意することで、顧客が「もう少し買えば次のランクに到達する」と考え、追加購入をする傾向が強まります。これにより、売上全体の底上げが期待できます。

データ収集とマーケティングの強化

会員ランク制度を導入することで、顧客の購買履歴や行動データをより詳細に分析できるようになります。これにより、ターゲットに応じたパーソナライズされたマーケティング施策が可能になり、効果的なプロモーションやリテンション施策の実施につながります。例えば、「〇〇ランク以上の会員限定セール」や「特定ランク向けのおすすめ商品提案」など、データを活用した戦略的な施策が展開できます。

このように、会員ランク制度は単なるロイヤリティプログラムではなく、顧客との関係を強化し、ブランド価値を向上させる重要な仕組みとして、多くの企業に注目されています。

会員ランク導入の手順

目的の明確化

会員ランク制度を導入する前に、まずその目的を明確にすることが重要です。LTV(顧客生涯価値)の向上やリピーターの獲得、ブランドロイヤルティの強化など、なんのために会員ランク制度を導入するのか整理することから始めましょう。目的がはっきりすれば、制度の設計や運用の判断基準も明確になり、成果につながりやすくなります。

ランクの設計

次に、会員ランクの設計を行います。ランクを設定する基準としては、購入金額、購入回数などが一般的です。例えば、「年間○○円以上の購入でゴールド会員」や「累計○回の購入でプラチナ会員」といった基準を設けることで、顧客の行動を促しやすくなります。ランクの段階は多すぎても分かりにくく、少なすぎても差別化が弱まるため、適切なバランスを取ることが重要です。

特典の設定

ランクごとに魅力的な特典を設定することも欠かせません。例えば、割引、ポイント還元、送料無料、限定イベントへの招待など、顧客が「このランクを維持・向上させたい」と思える特典を用意することが大切です。ただし、特典のコストが企業の利益を圧迫しすぎないように、適切なコスト管理を行いながら設計する必要があります。

システム選定

会員ランク制度を実施するためには、適切なシステムの選定も必要です。自社開発をする場合、カスタマイズ性が高く、独自の機能を持たせやすい反面、開発コストやメンテナンスの負担が発生します。一方、既存のサービスを活用する場合、比較的低コストかつスピーディーに導入できますが、機能の制約を受ける可能性があります。企業のリソースや予算、運用方針を考慮して最適な方法を選択しましょう。

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運用体制の構築

制度をスムーズに運用するためには、社内の体制を整えることも重要です。顧客からの問い合わせ対応やランクアップ・ダウングレードの管理、特典の付与方法など、運用フローを事前に明確にしておくことで、トラブルを防ぐことができます。また、顧客が自身のランクや特典を簡単に確認できるような仕組みを用意することで、ユーザビリティを向上させることも重要です。

VALUE GATEの会員サイト


プロモーション戦略

最後に、会員ランク制度を成功させるためには、効果的なプロモーションが不可欠です。既存会員にはメールやアプリのプッシュ通知を活用して制度の魅力を伝え、新規会員獲得のためにはSNSでのPRやキャンペーンを実施すると効果的です。特に、ランクアップによるメリットを強調し、顧客の参加意欲を高めるような施策を展開すると、より大きな成果が期待できます。

成功させるための4つのポイント

1.シンプルなランク設計で分かりやすく

会員ランク制度を成功させるためには、シンプルで分かりやすい設計が不可欠です。複雑なランク制度は顧客にとって理解しづらく、意欲を削ぐ要因になりかねません。顧客が直感的に「次のランクに到達するために何をすればいいのか」を理解できるような設計が理想的です。

2.特典の魅力度とコストのバランスを取る

特典の内容は、顧客の興味を引くものでなければなりません。しかし、企業側のコストが高くなりすぎると、長期的な運用が難しくなります。そのため、顧客のニーズと自社の利益のバランスを見極めることが重要です。例えば、デジタルコンテンツの提供など、低コストで高付加価値の特典を活用するのも一つの方法です。

3.データを活用し、定期的に見直す

会員ランク制度の効果を最大化するためには、定期的なデータ分析と見直しが欠かせません。どのランクにどの程度の顧客が分布しているのか、どの特典が最も活用されているのかを分析し、必要に応じてランクの基準や特典内容を調整することで、より効果的な制度に進化させることができます。

4.競合との差別化ポイントを明確にする

競合他社との差別化も重要なポイントです。多くの企業が会員ランク制度を導入する中で、他社と同じような制度では埋もれてしまう可能性があります。自社ならではの独自の特典や施策を打ち出すことで、顧客に強い印象を与え、競争優位性を確立することができます。例えば、顧客の行動データを活用してパーソナライズされた特典を提供することで、より高い満足度を得られる可能性があります。

まとめ

会員ランク制度は、顧客のロイヤルティを高め、売上の向上につなげる強力なマーケティング手法です。導入にあたっては、目的を明確にし、シンプルで分かりやすい設計を心がけることが重要です。また、特典の設定やシステム選定、運用体制の構築を慎重に行い、定期的なデータ分析を通じて制度を最適化することで、長期的に効果を発揮できます。競合との差別化を意識しながら、自社独自の会員ランク制度を設計し、成功へとつなげましょう。



株式会社トリニティ
株式会社トリニティ
2000年よりポイントサービス事業を開始。商業施設やスーパー、ホテルや飲食店など店舗を複数経営している企業に対し、お店のファンを増やすための販促ツールとしてポイントサービスおよび周辺ソリューションを提供しています。

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