【お客さま目線で考えて!】顧客満足度向上に繋がる5つのポイントをご紹介
顧客満足度を向上することは、様々なビジネスにとって成功の鍵となります。しかし、満足度を向上させるための具体的な戦略が分からないという方も多いと思います。
本記事では、顧客満足度を高めるための具体的な方法やポイントを分かりやすく解説します。顧客との信頼関係を深めたい方は、ぜひ参考にしてください!
目次[非表示]
- 1.顧客満足度(CS)とは?
- 1.1.顧客満足度が重要視されている理由
- 2.顧客満足度を向上させる4つのメリット
- 2.1.(1)新規の顧客が増える
- 2.2.(2)リピーターが増える
- 2.3.(3)離反しにくくなる
- 2.4.(4)LTVが向上する
- 3.顧客満足度の測定方法
- 3.1.NPS®
- 3.2.CSI(顧客満足度指数)
- 3.3.JCSI(日本版顧客満足度指数)
- 4.顧客満足度の主な調査方法
- 5.顧客満足度(CS)を向上させる5つのポイント
- 5.1.(1)顧客の満足を定義する
- 5.2.(2)顧客の求めていること以上を提供する
- 5.3.(3)顧客満足度の調査を行う
- 5.4.(4)顧客との接点を増やす
- 5.5.(5)顧客管理システム(CRM)を活用する
- 5.5.1.細かな顧客情報を管理する
- 5.5.2.最適なタイミングで訴求
- 5.5.3.付加価値の提示
- 6.顧客満足度向上の取り組み事例
- 6.1.スターバックスコーヒージャパン
- 6.2.メルセデス・ベンツ
- 6.3.ザ・リッツ・カールトン
- 7.まとめ
顧客満足度(CS)とは?
顧客満足度(Customer Satisfaction)とは、企業が提供する商品やサービスが、顧客の満足度(期待値)にどのくらい応えられているかを表す用語で、CSと表記されることもあります。
例えば、顧客が同じ商品を買い続けるということは、商品に対しての満足があるからです。顧客が製品やサービスを利用するということは、満足感を得るための手段であるという考え方もできます。
たいていの場合、顧客が満足するのは、購入前に思っていた期待値よりも商品やサービスの魅力が上回った場合です。このようなことから、顧客満足度は、顧客が購入前に商品やサービスに対して抱く「期待値」と、実際の「商品価値」とのギャップによって生まれます。
顧客満足度が重要視されている理由
顧客満足度が重要視されている背景には、現代のビジネスにおける市場競争が関わっています。顧客の満足度は、競合他社との比較を通じて、自社の市場における位置を把握する重要な指標となっています。競合他社との差別化ポイントや優位性を見つけ出すことで、自社の商品やサービスを魅力的に打ち出す方法が浮かび上がります。同時に、競合他社の優れた側面を理解することで、自社と顧客の関係性を向上させるための手がかりを得ることができます。
顧客満足度を向上させる4つのメリット
こちらでは顧客満足度を向上することによって、企業が得られる3つのメリットについて詳しくご紹介します。
(1)新規の顧客が増える
顧客満足度が向上すれば、顧客自らが口コミで周りの人に商品やサービスを紹介してくれることがあり、企業にとっては新規顧客を獲得できるチャンスが生まれます。最近はSNSが普及し、顧客は気に入った商品やサービスを自分のSNSで発信する機会が増えました。
SNSで拡散されると、「自分も使ってみたい」「行ってみたい」などの心理が生まれ、商品やサービスが注目される機会も増えるでしょう。投稿する人が多ければ、いわゆる「バズった」ことになり、さらに新規顧客が増えることもあります。
顧客満足度を向上させれば、多くの宣伝費を使わずに新規顧客が増えるチャンスを広げることも可能です。
(2)リピーターが増える
商品やサービスが気に入れば、顧客は何度も同じものを購入するリピーターになってくれます。リピーターが増えれば、多くの人が利用しているといった印象が定着し、「売れている企業」「人気がある企業」など、ブランドイメージも良くなるメリットも生まれます。ブランドイメージがアップすることで、さらなる新規顧客獲得のチャンスに恵まれることもあるでしょう。
リピーターが多い企業ほど競争に対する強みがあるため、ビジネスの安定度も高まります。新規顧客も大切ですが、企業にとっては、商品の良さやサービスを広げてくれるリピーターを定着させることが大切です。
(3)離反しにくくなる
優れた企業や商品やサービスであっても、離反をゼロにすることは難しいでしょう。しかし、顧客が商品やサービスに満足し続けている限り、離反を最小限にすることはできます。
離反を防ぐためには、使いやすい、丈夫、質と価格が見合っているなど、商品やサービス自体の満足度を満たすことはもちろんのこと、企業イメージや企業の対応など商品以外の満足度も満たさなければなりません。
商品に欠陥があった場合のコールセンターの対応が悪い場合や、企業の社会的倫理問題におけるイメージが悪ければ、どんなに商品やサービスが良くても顧客は離反してしまうことがあります。
(4)LTVが向上する
「LTV(Life Time Value)」は、ある顧客がその生涯を通じて企業にもたらす利益を示す鍵となる指標です。特にサブスクリプションなどの継続的なビジネスモデルが増加している中、多くの企業が積極的にLTVの向上に注力しています。
顧客満足度の向上が企業ブランドの熱烈な支持者を生むことで、その結果としてLTVの向上に寄与するでしょう。ビジネスの効率性向上や持続的な成長の実現には、LTVの向上が不可欠であり、そのためには顧客満足度が特に重要な指標となります。
LTV(ライフタイムバリュー)の重要性や計算方法を徹底解説!
顧客満足度の測定方法
顧客満足度を測定する方法はいくつかあります。
NPS®
NPS®とは、Net Promoter Scoreの略語で、商品・サービス・企業に対する愛着心や信頼感など顧客ロイヤルティを測定したい際に使われる指標です。企業の顧客との接点における顧客体験の評価・改善に活かされます。欧米の公開企業では、3分の1以上が活用している指標です。
NPSでは、「この商品を誰かに勧めたいか」などの質問に対して、0~10の11段階で評価してもらい、0〜6点を批判者、7〜8点を中立者、9〜10点を推奨者という3つのグループに分類し、最終的に以下のような計算式で求めます。推奨者が多く、批判者が少ないほどスコアは上がる仕組みです。
NPS(%)=推奨者の割合-批判者の割合 |
CSI(顧客満足度指数)
CSIとはCustomer Satisfaction Indexの略語で、企業が提供する商品やサービスに焦点を当て、質問を複数用意し、各質問の平均値を通じて顧客満足度を評価する指標です。下記5つの質問を0から100の点数で評価してもらい、平均値を算出します。
- 顧客期待値
- 顧客忠実度
- 顧客不満度
- 知覚品質(全体的な品質評価)
- 知覚価値(コストパフォーマンス)
顧客数の母数が多いほど、信頼性の高い結果を得やすくなるため、大企業の顧客満足度調査に活用されています。
JCSI(日本版顧客満足度指数)
JCSIとは、アメリカで利用されている「CSI(Customer Satisfaction Index)」からきており、これを日本版にカスタマイズしたものが、JCSI(Japanese Customer Satisfaction Index)です。日本国内の企業やサービスプロバイダーが提供する商品やサービスに対する顧客の満足度を測定し、比較するために使用されています。JCSIでは、CSIで用いる5つの質問と商品やサービスを他人に勧めたいかを問う「推奨意向」という1項目を加えた内容で、顧客満足度を測定します。
- 顧客期待値
- 顧客忠実度
- 顧客不満度
- 知覚品質
- 知覚価値
- 推奨意向(口コミ)
顧客満足度の主な調査方法
顧客満足度は、あらゆる方法で調査することが可能です。一般的には、下記のような方法が用いられます。
インターネット調査
Webサイトやオンラインショップへのトラフィックと検索キーワードの分析は、自社製品に関心を寄せているターゲット層を予測するための貴重な手段です。
このアプローチは即座に実施可能なため、最初にインターネットのアクセス状況を把握することからスタートしてみると良いでしょう。
アンケート
商品やサービスにどの程度満足したかという顧客からの声を集めます。回答は、5段階もしくは10段階から数値を選択してもらう方法が主流です。アンケートを集める方法は、紙に記入/メール/SNS/スマホアプリなどのさまざまな方法があります。
ヒアリング
実際に対面で意見を聞く、電話で意見を求めるなど、満足度や不満などを顧客から直接聞き取る方法です。自由な回答を求めたい場合に向いています。
モニタリング調査
リサーチ会社などを通じてモニタリング調査を行う方法です。専門業者に任せることで客観的な調査が期待できます。
顧客満足度(CS)を向上させる5つのポイント
こちらでは、顧客満足度(CS)を向上させる5つのポイントについて解説します。
(1)顧客の満足を定義する
上記でご紹介したとおり、顧客が満足感を得るのは、購入前に思っていた期待値よりも商品やサービスの魅力が上回った場合です。事前の期待値を指標化したものを、「事前期待値」と言います。
購入後に感じた商品の評価である「実績評価」と比べて事前期待値が高い場合は、顧客満足度が高いと評価できます。顧客満足度を向上させるには、まず顧客の事前期待値がどのようなものかを把握しなければなりません。まずは、顧客が何に期待し、どのようなニーズがあるのかについて、顧客の満足を定義化することから始めましょう。
(2)顧客の求めていること以上を提供する
顧客の満足度を上げるには、事前期待値よりも実績評価を高めることです。顧客が期待している商品やサービス以上のものを提供することが、顧客満足度の向上のポイントとなります。
ただし、事前期待値の調査を見誤ると期待していた顧客満足度に達しない場合があるので注意が必要です。Webサイトに訪れた人がどのような目的で訪れたのか、何を検索してたどり着いたのかを調べるだけでも、顧客の求めていることがわかることもあります。
(3)顧客満足度の調査を行う
事前期待値を調査したら、次は顧客満足度の調査方法でご紹介したような手法で実際の顧客の声を調査します。ここで大切なことは、リピーターの意見ばかりではなく、見込み顧客や新規顧客の声も反映することです。
リピーターのみの場合、ポジティブな意見ばかりが集まってしまう可能性があるので注意しましょう。実際の顧客の声と事前期待値が揃ったら、事前期待値よりも実績評価が上回るような改善を進めていきます。
(4)顧客との接点を増やす
顧客満足度を向上させるには、顧客との接点を増やすことも効果的です。顧客との接点といっても、実際に店頭で顔を合わせるだけではありません。商品やサービスの広告を強化して顧客が目にする機会を増やす、自社サイトへのアクセスを促す、展示会を行う、コールセンターやチャットボットを設置する、メールマガジンを配信する、SNSでコミュニケーションを図るなどさまざまな方法があります。
顧客の購買行動が多様化している今、さまざまな接点を持つことによって顧客の行動データが収集・分析できるようになり、きめ細やかなマーケティングを行えるようになります。
(5)顧客管理システム(CRM)を活用する
顧客管理システム(CRM)とは、顧客情報を一元管理するツールです。
昔は顧客台帳などを付けていましたが、今は顧客の基本情報やメールや電話などのコミュニケーション履歴、購入履歴などがデジタル化され、CRMシステムに蓄積されます。顧客管理システム(CRM)を活用することによって、次のように顧客満足度を向上させることも可能です。
細かな顧客情報を管理する
顧客管理システム(CRM)は、顧客のプロフィール・属性・購買履歴・購入目的・メールや電話の履歴や内容も記録できます。クレーム情報・問い合わせ・キャンペーン参加状況なども管理可能です。
また、これまで営業部や経営企画部など、それぞれの部署の担当者が把握していた顧客情報を一元管理することが可能です。属人的だった情報が企業全体で把握できるようになり、顧客の細かな情報を集めることができるようになります。顧客の情報を把握することで、顧客の満足度を向上させるための施策を打つことも可能です。
最適なタイミングで訴求
顧客が必要としているタイミングで商品やサービスを訴求できれば、顧客満足度は向上します。
例えば、商品を使い終わるタイミングで広告を打つ、カートに商品が入ったまま数日経過している顧客に対してクーポンを配信するなど、顧客の需要やタイミングを見計らった効果的な宣伝やアプローチが必要です。さらに、毎年参加しているキャンペーンや展示会情報を知らせる、製品が劣化するタイミングで修理やメンテナンスに関する情報を提供するなども効果的です。
付加価値の提示
顧客は店舗を訪れる際に、付加価値があれば更に満足感を得ることができます。
皆さんも、商品を購入した際にポイント付与や特典があったらうれしいですよね。購入情報に基づいた会員ランクは、ポイント付与率が増加することで購買意欲を高めることができます。また、顧客の利用頻度や金額に応じて特典を提供できればリピート率や顧客単価の向上も期待できます。
弊社のポイントサービス「VALUE GATE」では、会員ランク別ポイントの他に、期間限定ポイント/キャンペーンポイントなどの設定が可能となっており、顧客育成に役立ちます。
顧客満足度向上の取り組み事例
ここからは、顧客満足度の向上に成功した事例を紹介します。
スターバックスコーヒージャパン
スターバックスコーヒージャパンが人々に選ばれている要因は、単に「商品」を提供するのではなく、独自の「体験」を提供していることにあります。競合他社が主に商品に焦点を当てるなか、スターバックスは心地よさを感じる店内空間や、フレンドリーなスタッフ、快適なソファー、心を落ち着かせるBGMなど、長時間を心地よく過ごしたくなる要素を随所に取り入れています。
スターバックスは、従業員に接客マニュアルを与えていないのも有名です。代わりに、「グリーンエプロンブック」と呼ばれる資料には、「歓迎する」「心を込めて」など5つの行動規範が記されており、これを活用してスタッフは顧客に対応しています。サービスのビジョンを共有することで、各従業員が顧客の感情を理解し、その期待に応えることが強調されています。
メルセデス・ベンツ
メルセデス・ベンツは、ブランドの伝統と高い品質から広範な支持を得ており、消費者向けのNPS(Net Promoter Score)調査では、「薦めたい自動車ブランド」のカテゴリーで1位を獲得しています。一部で「高嶺の花」とされる印象もあるメルセデス・ベンツは、ブランドを身近に感じてもらうために「メルセデス ミー」という消費者との交流拠点を展開しています。現在は東京と大阪を中心に展開されています。
これらの拠点には、カフェやレストランが併設され、ブランドの象徴であるベンツマークが入った時計や子供服などが並び、親しみやすい雰囲気が演出されています。さらに、メルセデス・ベンツレンタカーでは、低料金でレンタカーが提供されており、これらの取り組みを通じて、低価格帯の車だけでなく、1,000万円を超える高級車を購入する顧客も増加しているといいます。
ザ・リッツ・カールトン
有名ホテル、ザ・リッツ・カールトンは卓越した顧客サービスを提供することで知られており、従業員満足度を重視することで顧客満足度を高め、業績も持続的に伸ばしている成功事例として注目されています。従業員は、お客さまにノーを言わないことを原則とし、絶え間ない期待への応えを通じて顧客の満足度を向上させています。
「自社にふさわしい人材だけを採用する」、「従業員にリッツの基本理念を徹底的に叩き込む」など、徹底的な人材管理が重要視されています。また、「ファイブスター制度」と呼ばれる褒賞制度があり、3カ月に一度5人の従業員が表彰され、スタッフの自尊心を向上させています。さらに、現場の従業員には1日最大2,000ドルの決済権を与えるなど、従業員の主体的な行動力を養う施策も展開されています。
まとめ
顧客満足度の内容をはじめ、測定方法や顧客満足度向上のポイントついてご紹介しました。顧客満足度の向上は新規・リピーター客の増加、離反の減少など企業に多くのメリットをもたらします。ご紹介した方法を参考に、ぜひ実践や改善を行ってみてください。