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会員ランク制度でファンを育てる!

商品やサービスの利用頻度・金額に応じてランクが上がる“会員ランク制度”は、顧客満足度とリピート率を高め、最終的には売上を押し上げる強力なマーケティング手法です。本記事では、制度導入で得られるメリットや具体的設計のポイント、成功事例をわかりやすく解説します。

目次[非表示]

  1. 1.店舗が抱える課題
    1. 1.1.リピーターが定着しない
    2. 1.2.客単価が上がらない
  2. 2.課題を解決する会員ランク制度
    1. 2.1.会員ランクがもたらす3つの効果
      1. 2.1.1.(1)顧客満足度向上
      2. 2.1.2.(2)リピーター獲得と囲い込み
      3. 2.1.3.(3)ロイヤルカスタマーの育成
    2. 2.2.会員ランクの分類方法
  3. 3.会員ランク制度のメリット
    1. 3.1.店舗のメリット
      1. 3.1.1.(1)顧客単価アップ
      2. 3.1.2.(2)安定的な売上獲得
      3. 3.1.3.(3)顧客との関係強化
      4. 3.1.4.(4)効率的な販促
    2. 3.2.消費者のメリット
      1. 3.2.1.(1)お得な特典・優待を受けられる
      2. 3.2.2.(2)会員ステージ、購買の記録が一目でわかる
  4. 4.会員ランクを導入する際のポイント
    1. 4.1.ターゲットに合った特典設計
    2. 4.2.ランクダウンによる逆効果を防ぐ
  5. 5.会員ランク制度導入のステップ
    1. 5.1.目的を明確にする
  6. 6.業界別会員ランクイメージ
    1. 6.1.ホテル業界
    2. 6.2.商業施設
    3. 6.3.飲食店
  7. 7.会員ランク制度に関するFAQ
    1. 7.1.Q1.会員ランク制度とポイント制度の違いは何ですか?
    2. 7.2.Q2.どんな業種に会員ランク制度は向いていますか?
    3. 7.3.Q3.会員ランクの特典内容はどのように決めればよいですか?
  8. 8.まとめ

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店舗が抱える課題

多くの店舗では「新規顧客の獲得」以上に、「いかにリピーターを定着させ、売上を安定させるか」が大きな課題です。

リピーターが定着しない

一度来店しても継続利用につながらず、売上が安定しないケースは少なくありません。会員ランク制度を導入すれば、ランクアップのために再来店や追加購入を促しやすくなり、自然とリピート率を高めることができます。

客単価が上がらない

「常連客がいても客単価が伸びない」という課題もよく耳にします。ランク条件に「購入金額」や「利用回数」を設定することで、顧客がより多くの商品を購入したくなる仕組みを作れます。

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課題を解決する会員ランク制度

会員ランク制度とは、店舗やサービスの利用状況に応じて顧客(会員)をランク分けをするマーケティング施策です。 例えば、顧客の来店回数や購入金額に応じて「レギュラー」「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」などに区分することができます。ランクごとに「ポイント付与数」「限定特典」を設定することで、リピーターの定着や客単価の向上、ロイヤル顧客の把握と育成といった店舗が抱える課題を解決できる仕組みになります。さらにランクアップを目指す顧客の購買意欲を高めることにより、再来店促進及びリピート率の向上も期待できます。

会員ランクがもたらす3つの効果

会員ランク制度は、以下のような効果をもたらします。

(1)顧客満足度向上

顧客は、店舗やサービスを利用すればするほど、ランクが上がります。もともと好んで利用している場合は、利用するだけでお得になるので喜んでもらえます。また、特典や仕組みを工夫すれば、次のランクアップに向けてゲーム感覚で楽しんでもらうこともできるでしょう。結果として、“利用すればするほど嬉しい仕組み”が顧客満足度の向上につながります。

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(2)リピーター獲得と囲い込み

会員ランク制度は、リピーターの獲得にもつながります。もし、2つの店で同じものを販売しているとしたら、もうすぐランクアップできる店を選びたいと考える顧客は多いでしょう。ランクアップ制度がリピーターの獲得に効果を発揮するのは、「お得に利用したい」「ステータスを感じたい」という顧客心理を上手く活用できるからです。”リピーターだけが得られる特典”を設けることで、顧客に「たくさん利用したからこそ特典が受けられる」「この店の特別な客である」という意識をもたれるようになります。顧客に満足感や特別感を与えられ、結果的に顧客の囲い込みにつながるはずです。

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(3)ロイヤルカスタマーの育成

ロイヤルカスタマーとは、特定の企業・店舗・サービスなどに対する「忠誠心(ロイヤリティ)」が高い顧客です。 ランクアップを活用することで、企業や商品に対する愛着心や好感度を育てることができます。一定ランク以上の顧客には「特別待遇」「プレゼント」「ポイント還元率UP」など、ロイヤルカスタマーにならないと受けられないサービスを準備するのが効果的です。ロイヤルカスタマーならではの「特別感」を用意することで、上位ランクを目指す動機づけとなり、利用継続のサイクルを生み出します。

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会員ランクの分類方法

会員ランクは、さまざまな要因に基づいて分類されます。例えば以下のような分類方法があります。

購入金額に基づくランク

一定期間の累計購入金額により分類します。
(例)1年間に30万円以上でゴールド、100万円以上でプラチナ会員

購入頻度・来店回数に基づくランク

一定期間の来店回数や購入回数でランクを決定
(例)年間12回以上来店でシルバー、年間24回以上来店でゴールド会員

累積ポイント数に基づくランク

獲得したポイント数の合計でランクを決定
(例)累計10,000ポイントでゴールド、50,000ポイントでプラチナ

会員ランク制度のメリット

会員ランク制度は、店舗側だけではなく消費者側にもメリットをもたらします。両者の立場から、それぞれのメリットをチェックしてみましょう。

店舗のメリット

店舗側のメリットは以下のとおりです。

(1)顧客単価アップ

「ランクを上げたらお得になる」という心理が働くと、消費者は必要以上の買い物をしてしまう傾向があります。例えば、ECサイトで「あと2,000円でゴールド会員」と表示されると、顧客はもう1品カートに追加することがあります。また飲食店では「あと1回来店でランクアップ」と表示することで、通常より多く来店してもらえる可能性もあります。

このように、ランク制度は顧客に“あと少しでお得になる”という動機を与え、結果的に単価や利用回数のアップにつながります。

(2)安定的な売上獲得

売上を長期的に安定させるには、リピーターの存在が欠かせません。新規顧客の獲得にはコストがかかりますが、既存顧客の継続利用は利益率の向上につながります。

会員ランク制度は「利用すればするほど特典が増える」仕組みを提供できるため、顧客が自然とリピートしやすくなります。その結果、店舗にとって安定的な売上基盤を築くことができます。

(3)顧客との関係強化

先にもご紹介したとおり、会員ランク制度は、顧客が継続してサービスを利用する動機になります。「ここまできたらランクを落としたくない」「もう少しでランクアップする」などの心理が働くと、取りこぼした情報がないかどうかを確認するため、店舗情報をチェックする頻度が高まる傾向があります。その結果、店舗と消費者との接点が増えて関係が維持しやすくなります。

会員登録だけで、顧客と密な関係性を構築するのはハードルが高く、時間やコストがかかりますが、会員ランクという施策を挟むことで店舗が顧客にアプローチできる理由付けが可能になります。そのため、ロイヤルカスタマーの育成がしやすくなるため、顧客の囲い込みにもつながるでしょう。

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(4)効率的な販促

顧客をあらかじめランク別に区分できているため、特定のランクに特化した販促が実施できます。例えばメルマガを用いた販促の場合、ランクに応じたお得なクーポンや、割引情報を一斉に配信することができます。会員ランク制度を熱心に利用する顧客は、店舗からのメルマガをチェックする頻度も高い傾向にあるため、強化したい会員ランクに絞った施策を行うことで、無駄な費用を抑えられるでしょう。

消費者のメリット

消費者側のメリットは以下のとおりです。

(1)お得な特典・優待を受けられる

消費者は、購買金額や頻度が多いほど、ランクが上がります。ランクが上がることによって、割引やポイントの獲得などの優待特典が受けられます。買い物をお得に楽しむだけでなく、誕生日特典や特別なセール・イベントへのご招待などにより、より一層の満足感が得られます。

(2)会員ステージ、購買の記録が一目でわかる

消費者は、会員ページなどで会員ステージや購買の記録の確認が可能です。「あと○○円でシルバーランク」などの表示があれば、現時点で自分がいくら使ったかがわかり、ランクアップのための必要額も確認できます。購入履歴を確認できれば、利用額の管理にも役立つでしょう。

会員ランクを導入する際のポイント

ターゲットに合った特典設計

会員ランクを導入する際は、ターゲット層のニーズに合った特典を準備するのがポイントです。例えば、学生層の多いサービスで「高額商品の送料無料」を特典にしても、利用機会が少なくターゲット層には響きません。また、高齢層が多い場合に「ポイント還元率アップ」を特典に設定しても現金利用が多いため刺さらないかもしれません。特典は、ターゲット層の特徴を熟知したうえで準備しましょう。

ランクダウンによる逆効果を防ぐ

会員ランクがダウンしてしまった場合、消費者のモチベーションが下がる可能性があります。条件が厳しすぎると「維持できないならもういい」と離脱につながるリスクも考えられます。ランク条件が高すぎないかも、あらかじめ注意するポイントです。

会員ランク制度導入のステップ

会員ランク制度を成功させるには、思いつきで導入するのではなく、明確な手順を踏むことが大切です。ここでは、導入から運用・改善までの流れを6つのステップに分けてご紹介します。

目的を明確にする

まずは「なぜ会員ランク制度を導入するのか」を整理します。リピーター増加、客単価向上、ロイヤル顧客の育成など、目的が不明確なままだと仕組みが形骸化してしまう恐れがあります。

ランク基準を設計する

来店回数、購入金額、ポイント獲得数など、ランクアップの条件を決めます。重要なのは「頑張れば達成できる」と思ってもらえるバランスです。条件が厳しすぎると離脱につながり、逆に甘すぎると制度の魅力が薄れます。

特典内容を決める

ランクごとに「どんなメリットがあるのか」を設計します。割引やポイント倍率アップだけでなく、限定イベント招待、先行販売、誕生日特典など「特別感」があるものが効果的です。

運用ルールとシステムを整える

実際に運用するには、会員データを管理する仕組みが必要です。POSや会員アプリ、顧客管理システム(CRM)と連携し、ランク判定や特典付与が自動で行えるようにしておくとスムーズに運営できます。

顧客への告知と浸透

制度を作っても、顧客に知られなければ意味がありません。店頭やアプリ、メール、SNSなどを使い、「ランクアップの楽しさ」や「特典の魅力」を伝えることで、顧客に利用を促します。

効果測定と改善

導入後は定期的に「利用率」「ランク別売上」「リピート率」などを確認し、改善を重ねることが重要です。特典の見直しやランク条件の調整を行いながら、顧客の行動に合った制度にブラッシュアップしていきましょう。

業界別会員ランクイメージ

会員ランク制度は、業界ごとに基準や特典の設計が異なります。ここではホテル、商業施設、飲食店を例に、それぞれのイメージをご紹介します。

ホテル業界

ホテル業界では、年間の宿泊回数や宿泊金額、会員年数などを基準にランクを設定するのが一般的です。ランクが上がるほど、無料の客室アップグレードやレイトチェックアウト、会員専用ラウンジの利用といった特典を受けられるようになります。さらに誕生日や記念日のサービスを用意すれば、特別感を感じてもらいやすくなります。

ホテルの導入事例

商業施設

商業施設の場合は、年間の購入金額や来館頻度、提携カードの利用状況などをもとにランクを分けます。ランクが高い顧客には、駐車料金の割引や会員限定セールへの招待、ポイント倍率アップといったメリットを提供できます。普段の買い物を通じて自然に特典が増える仕組みを作ることで、顧客の施設利用を習慣化しやすくなります。

商業施設の導入事例

飲食店

飲食店では、来店回数や累計利用金額、予約利用の有無などを基準にするのが効果的です。ランクアップに応じて、ドリンクやデザートの無料サービス、会員限定メニューの提供、優先予約枠の案内などを用意できます。誕生日特典や記念日向けの割引を組み込むことで、特別な日に選んでもらえるお店になるでしょう。

飲食店の導入事例

会員ランク制度に関するFAQ

Q1.会員ランク制度とポイント制度の違いは何ですか?

A. ポイント制度は「利用額に応じてポイントが還元される仕組み」で、リピーターを獲得する効果があります。一方、会員ランク制度は「累計の利用実績に応じてランクが上がり特典が増える仕組み」で、顧客の長期的な定着やロイヤルカスタマーの育成に効果的です。

Q2.どんな業種に会員ランク制度は向いていますか?

A. リピーター獲得が重要な業種で特に効果を発揮します。具体的には、ホテル、商業施設、飲食店、フィットネスクラブ、美容サロンなど「継続利用を前提とするサービス業」に適しています。

Q3.会員ランクの特典内容はどのように決めればよいですか?

A.顧客にとって魅力的でありながら、店舗側の負担になりすぎないバランスが重要です。たとえばホテルでは「アップグレード」や「特別サービス」、飲食店では「ドリンク無料」や「優先予約」、商業施設では「駐車無料」や「会員限定セール」など、業態に合わせて設計すると効果的です。

まとめ

会員ランク制度は、顧客の利用状況に応じてランクを設け、特典を与えることで「また利用したい」と思わせる仕組みです。店舗が抱える「リピーター不足」「顧客単価の伸び悩み」「顧客の定着率低下」といった課題を解決する有効な手段となります。

導入にあたっては、目的を明確にし、ランク基準や特典内容をバランスよく設計することが大切です。また、ホテル・商業施設・飲食店など業種ごとに顧客が求める特典は異なるため、自店舗に合った制度設計を行う必要があります。ぜひ参考にしてください。

株式会社トリニティ
株式会社トリニティ
2000年よりポイントサービス事業を開始。商業施設やスーパー、ホテルや飲食店など店舗を複数経営している企業に対し、お店のファンを増やすための販促ツールとしてポイントサービスおよび周辺ソリューションを提供しています。

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