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【顧客分析とは】主な手法から顧客分析に活用できるシステムも紹介!


目次[非表示]

  1. 1.顧客分析とは?
    1. 1.1.顧客分析の重要性
      1. 1.1.1.(1)顧客分析の情報を営業戦略に活かせる
      2. 1.1.2.(2)サービス改良に役立てられる
    2. 1.2.顧客分析のメリット
      1. 1.2.1.マーケティング施策の効率化
      2. 1.2.2.企業の売上向上
  2. 2.顧客分析の主な手法
    1. 2.1.デシル分析
    2. 2.2.RFM分析
    3. 2.3.セグメンテーション分析
    4. 2.4.CTB分析
    5. 2.5.行動トレンド分析
    6. 2.6.LTV分析
  3. 3.顧客分析をする際の4つのポイント
    1. 3.1.(1)ターゲットの明確化
    2. 3.2.(2)顧客ニーズの把握
    3. 3.3.(3)購買までの意思決定プロセスの分析
    4. 3.4.(4)市場規模や将来性の分析
  4. 4.顧客分析4つのステップ
    1. 4.1.(1)目的を設定する
    2. 4.2.(2)調査内容を決め、データ収集
    3. 4.3.(3)分析手法を決め、ツールで分析する
    4. 4.4.(4)分析結果から次のアクションを考える
  5. 5.顧客分析に活用できる顧客・ポイント管理システム「VALUE GATE」
    1. 5.1.現在VALUE GATEができる分析
  6. 6.まとめ

顧客分析とは?

企業が売上を伸ばすためには顧客の市場やニーズを把握することが大切です。現代社会では消費者と直接的に関わるBtoC企業だけでなく、BtoB企業でもクライアントのニーズの変化に対して、対応が必要になりました。そういった顧客の市場やニーズを把握する手段として「顧客分析」が役立ちます。

今回は、顧客分析の主な手法や、分析する際に活用できるシステムまで詳しくご紹介します。


顧客分析とは、顧客の年齢、性別、居住地などの属性や購買情報などを分析することです。自社の顧客層を理解することで、自社の強みを活かすマーケティング戦略を考えたり、競合他社との差別化を図ることができます。

分析する項目は商材・業種によって異なりますが、主に以下の項目を分析対象とします。

  • 顧客の属性(性別、居住地、年代)
  • 活動履歴(顧客に行ったマーケティング施策、商談内容など)
  • 購買履歴、取引履歴
  • 顧客の課題、ニーズ
  • 顧客の趣味嗜好
  • 購買プロセス/意思決定プロセス
  • 顧客満足度

上記の分析を通して、自社の顧客に対する理解を深めることができます。

顧客分析の重要性

顧客分析は自社の顧客について把握するために必要な作業です。分析結果を基に戦略の立案やサービス改良の際に役立ちます。

(1)顧客分析の情報を営業戦略に活かせる

顧客分析を行うことで、提供しているサービスや製品がどのような理由で購入されているのか、どのような顧客にニーズがあるのかなど傾向が見えてきます。分析結果をもとに営業戦略を立てることで、効率的に売上を上げられるようになります。営業活動の効率化と売上の向上に大きな効果を期待できるため、顧客分析は重要になります。

(2)サービス改良に役立てられる

顧客のニーズや満足度を把握することで、自社のサービス改良の優先順位や方向性を決める際に役立てることができます。顧客がどういう所に価値を見出しているのか、どのような機能を求めているのかについて分析やヒアリングを行うことで市場から必要とされるサービスを提供できるようになります。ニーズや課題に合わせた改良を重ねていくことで他社のサービスとの差別化につながります。

上記の理由から、顧客分析は、営業活動に役立つだけでなく、事業全体の今後を担う重要なプロセスということが分かります。

顧客分析のメリット

顧客分析を行うことの具体的なメリットには次のようなものが挙げられます。

マーケティング施策の効率化

顧客への理解が深まれば深まるほど「顧客は何を求めているのか」が明確になり、ターゲットの心を動かすマーケティング施策が実行できます。あらかじめ成果を得られることが分かっているマーケティング施策なら予算を割くことも可能でしょう。マーケティング施策の費用対効果を最適化し、効率的に顧客獲得につなげられる点で、顧客分析には強力なメリットがあります。

企業の売上向上

顧客分析により購買率や顧客満足度を高める方法が分かれば、結果として企業の売上向上につながります。ターゲットのニーズに基づいた戦略や事業計画を策定できるため、他社よりも優位にアプローチできるようになり、結果として無駄な予算を費やすことなく、「効果のあるマーケティング施策」が行えます。

顧客分析の主な手法

顧客分析の手法はいくつかありますが、ここではよく用いられる手法を中心に6つご紹介します。

デシル分析

デシル分析とは顧客の購買金額を高い順に並べて10段階にグループ分けし、購入比率や売上構成比率を算出する手法です。デシルとはラテン語で「10等分」を意味しており、グループごとの売り上げの貢献度を把握することで、費用対効果の高いマーケティング施策を行えます。

例えば100名の顧客を購買金額の多い順に並べて10段階にグループ分けし、売上構成比を計算します。グループ内の顧客の購入金額の総額を計算し、全体の売上に対する構成比が何%になるかを算出すれば各グループの売上比率が分かり、売上を伸ばすにはどのグループを重要視するべきなのかが分かります。

ただし、売上比率が高いグループが必ずしも優良顧客であるとは限らないので、注意が必要です。

RFM分析

RFM分析とは優良顧客を見つけ出すための手法で、BtoCビジネスでよく使われています。最終購入日(Recency)、購入頻度(Frequency)、累計購入金額(Monetary)の頭文字からRFMと呼ばれており、顧客をこれら3つの指標をもとにランク分けして分析する手法です。「直近いつ」という概念が入ってくるので、デシル分析のように過去に一度だけ高額な商品を購入した顧客と、少額だが継続的に商品を購入している顧客が同一グループに入ることはなく、明確に分析が行えます。

RFM分析において、R/F/Mの3つの指標すべてが大きければ優良顧客と分析され、自社に対して貢献度が高く、優先的に接点を持つべき顧客と判断されます。

セグメンテーション分析

セグメンテーション分析とは顧客を属性・ニーズ・購入履歴などの特徴ごとにグループ分けする手法です。
デシル分析やRFM分析は購入に関する数値でのみ分析しますが、セグメンテーション分析はそれ以外のデータも活用します。
既存顧客同士の類似性を見つけることで、獲得していくべき顧客の特徴が明らかになります。逆に、失注顧客の共通部分を把握できれば、営業の優先度が低い顧客が誰なのかまで分かるようになります。

グループは主に下記の4つに分けられます。


変数
内容

地理的変数


地域・人口密度・気候

人口動態変数

年齢・性別・職業・所得

心理的変数

性格・価値観・趣味

行動変数

行動履歴・行動パターン


CTB分析

CTB分析とは分類(Category)、趣向(Taste)、ブランド(Brand)の3つの項目にグループ分けをして分析を行う手法で顧客がどんな商品を購入するか予測できます。たとえば顧客が購入した商品を「ファッションアイテム」や「雑貨」といった大分類に分けます。さらにファッションアイテムの中でも「半袖」「長袖」などの小分類に分け、デザインやサイズ、ブランドに細分化し、顧客のニーズを把握することができます。
顧客の趣向が分析結果に反映されるため、アパレルや生活雑貨など幅広い商品に有効です。

ただし、POSデータ等で簡単に取得できる情報ではなく、3つのグループに分けて集計・分析する必要があるため難易度が高くなるのですが、その分高い精度の予測が期待できます。

行動トレンド分析

行動トレンド分析とは特定のシーズンごとに購買行動をしている顧客に絞って共通点や特徴を分析する手法です。購買層の分類の軸は年齢や性別、住まい、更には職種など様々なものが考えられます。例えば、「クリスマスにケーキを多く購入しているのは30~40代(子育て世代)の女性だ」「暑くなる6月から8月にかけてビールを多く購入しているのは20~40代の男性だ」といった分析ができれば最適なタイミングで特定の購買層に対してキャンペーンの配信が可能になります。

LTV分析

LTV(Life Time Value)分析は、顧客の寿命全体にわたる価値を評価するための手法です。「顧客が企業との取引開始から取引終了までにいくらの金額を使うか」という意味であり、顧客が企業にとってどのくらいの利益をもたらすかの目安にもなります。

LTVの数値は、例えばメーカーや小売業の場合、購買単価、購買頻度、継続期間の平均値を用いて下記のような計算式で求められます。

(顧客生涯価値) = 購買単価(円) × 購買頻度(回数) × 継続期間(年)

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顧客分析をする際の4つのポイント


実際に顧客分析を行う際には、具体的にどのような項目を分析すれば良いのでしょうか。

(1)ターゲットの明確化

顧客分析をする上で、最初に明らかにしたいのがターゲットです。特に東京のようにサービスや商品の競争が激しい地域ほど、幅広い客層に向けた戦略では他社との競争に負けてしまいます。顧客の中でも、優良顧客に共通する属性を明らかにすることで理想の顧客像であるターゲットが明確になり、優先的にアプローチすべき見込み顧客を判別できます。

また、顧客分析の目的によって、分析対象は異なります。「既存顧客」「見込み顧客」「休眠顧客」など、どの顧客層を対象とするのか正しく選定しましょう。

(2)顧客ニーズの把握

営業がヒアリングした顧客の課題やニーズについてのデータを収集し、顧客が抱えている課題の分析をおすすめします。顧客がサービスに対してどの程度の価格を期待しているのかや、どんな機能性を求めているのかといったような二ーズを理解することも重要です。そして、受注に至った後も「その課題を解決できたのか」まで分析することで、顧客ロイヤリティ向上のための施策につなげることができます。

しかし、課題やニーズの把握は、データだけでは分析が難しいでしょう。顧客へのインタビューやアンケート調査、営業担当者によるヒアリングも同時に行う必要があります。

(3)購買までの意思決定プロセスの分析

顧客が商品やサービスを知り、購入に至るまでの感情の変化や行動を分析します。意思決定プロセスを把握することは顧客分析において重要なポイントです。「5段階の購買意思決定プロセス」では顧客は問題認知・情報探索・代替品評価・購買決定・購買後の行動といった5つのプロセスを経て購入すると言われています。

購入までのプロセスが把握できれば、最適なタイミングで情報を与え、購入を促すことが可能になります。

(4)市場規模や将来性の分析

ターゲットとなる顧客が属する市場の規模や将来性を分析します。市場規模の把握は、販売数量や販売金額を把握することにもつながります。また、市場の特徴や需要を把握することは、新規参入や事業計画、マーケティングに役立ちます。企業が継続的な収益を得るために重要なポイントとなり、将来性が見込めない場合は、別の市場の開拓が必要になります。

顧客分析4つのステップ

顧客分析を行うには顧客の情報を収集し、管理していることが前提となります。ここでは、具体的に顧客分析を行うための4つのステップについてご紹介します。

(1)目的を設定する

顧客分析を行うためには、最初に目的の設定が必要です。新規顧客獲得が目的か、既存顧客の満足度向上が目的かなどによって調査対象や収集するデータの項目は変わります。目的を設定することで、効果的な分析結果を得ることができます。

例えば、顧客の課題やニーズの把握を目的に設定すれば、更に深掘りして調査する必要があるため、顧客についての理解を深めることができます。既存顧客にどのような課題があり、どのように商品・サービスを知り、なぜ購入を決めたのかがわかれば、今以上にニーズにマッチした戦略立案や商品開発に役立てることができます。

(2)調査内容を決め、データ収集

目的が設定できたら、次にどのデータを活用すればその目的が達成できるのかを考え、実際に収集します。顧客情報には、さまざまな種類のデータが存在します。顧客の属性情報や購買行動情報といった定量データと、顧客から寄せられた声、クレーム内容、フォームからの問い合わせ内容、SNSでの投稿内容、記述式のアンケート結果、顧客へのヒアリングから取集できる定性データなどです。

定量データは、会員登録データ、販売管理システムの受注・販売履歴などから情報を収集することができます。定性データに関してもアンケートやヒアリングの実施のほか、自社サイトへの問い合わせ履歴やSNS投稿の分析などによって収集が可能です。収集した顧客情報は、顧客管理システム(CRM)を使ってデータベース化し、一元管理できる仕組みを作ると便利です。


(3)分析手法を決め、ツールで分析する

先ほどご紹介した6つの顧客分析手法を参考に、目的を達成するために最適な方法を選択します。実際に分析する手段としてはツールを活用すると便利です。よく用いられる手段として、Excelや顧客分析ツール、ビジネスインテリジェンスツール(BI)などが挙げられます。ツールによって機能の種類や使い勝手などの違いはありますが、基本的にはデータを分析し、表やグラフ化する事で結果を確認します。

(4)分析結果から次のアクションを考える

分析結果から見えてくる課題を把握し、具体的なアクションプランを策定します。そこで出た課題を解決するために、新しいマーケティング戦略、製品改善、顧客サービスの強化などの方向性を決め、改善していきます。もし、課題が見つからない場合は分析方法やデータの範囲を変えたり広げたりして再度分析してみてください。

以上のステップを繰り返し精度を高めることで、あらかじめ設定した目的の達成が見えてきます。

顧客分析に活用できる顧客・ポイント管理システム「VALUE GATE」


トリニティが提供する顧客・ポイント管理システム「VALUE GATE」はクレジット端末にポイント機能を搭載し、レジでお客様にポイント付与・利用を行えるサービスです。クレジット端末がない場合はAndroidスマホをポイント端末として利用可能です。また、会員情報やポイント付与履歴などのデータは、管理サイトから見ることができ、分析に役立ちます。

顧客・ポイント管理システム「VALUE GATE」について>>

現在VALUE GATEができる分析

VALUE GATEにはレポート機能が搭載されており、定型レポートも充実しています。1ヶ月のポイント付与・利用実績や、キャンペーンの効果測定、属性別の集計など企業がPDCAを回すために必要な情報をグラフで見やすくお届けします。ここではVALUE GATEのレポート機能でできる分析をご紹介します。

  • デシル分析
  • RFM分析
  • イベント分析
  • 地区分析


デシル分析とRFM分析に関しては先述した通り、購入に関する数値で分析する手法になります。イベント分析はキャンペーンやイベントの実施に伴う販促の効果を分析する機能です。管理画面から販促対象の会員を指定してそのイベントに紐付けすることでイベント終了後に分析レポートを表示することができます。地区分析は地区別、性別毎の人数、購買金額を表示するレポートです。

また、これまでにご紹介した分析だけでなく、以下の集計機能もご用意しています。

  • 会員推移レポート
  • ポイント推移レポート
  • 発行ポイント集計
  • 滞留分布集計(利用されていないポイント数の分布)
  • 端末日別集計(端末ごとのポイント取引集計)
  • ポイント失効集計


今後、システムのバージョンアップに伴って新たな分析機能を企画・検討中です。

まとめ

今回は顧客分析の重要性から具体的な分析手法について説明してきました。顧客分析は、効率の良い営業戦略を立案し、自社のサービスに顧客の声を取り入れて改善していくために重要なプロセスです。顧客分析を行う際には是非参考にしてみてください。