デジタル会員証とは?メリットから導入方法まで詳しくご紹介!
目次[非表示]
- 1.デジタル会員証とは
- 1.1.デジタル会員証の概要
- 1.2.デジタル会員証が普及した背景
- 2.デジタル会員証を導入するメリット
- 2.1.顧客側のメリット
- 2.1.1.(1)持ち運びが便利で紛失の恐れがない
- 2.1.2.(2)店舗からの情報を受け取れる
- 2.2.店舗側のメリット
- 2.2.1.(1)会員登録の作業負荷軽減
- 2.2.2.(2)レジオペレーションの効率化と会員データの活用
- 2.2.3.(3)会員数や利用率の向上
- 2.2.4.(4)広告費を抑えて集客できる
- 3.デジタル会員証導入によるデメリット
- 3.1.(1)導入・運用費用がかかる
- 3.2.(2)スマホを利用しているユーザーに限定される
- 3.3.(3)スタッフへの教育
- 4.デジタル会員証3つの導入パターン
- 4.1.(1)スクラッチ開発
- 4.2.(2)アプリ開発
- 4.3.(3)LINEアプリ
- 4.4.VALUE GATE(トリニティのポイントサービス)
- 5.デジタル会員証を最大限に活用するには
- 5.1.POSシステムとの連携
- 5.2.オンラインとの連携
- 6.まとめ
デジタル会員証とは
デジタル会員証の概要
街で買い物をしていると、デジタル会員証を取り入れる店舗が増えているのが分かります。デジタル会員証は、これまで紙やカードなどで管理していたポイントや来店履歴などを、スマートフォンアプリやWebアプリでデジタル化したものです。
アナログの会員証と異なりデジタルの場合、システム上で来店履歴や購入履歴の管理、キャンペーンによるポイント付与、クーポンの配信、プッシュ通知といった数多くの機能を持つことが特徴です。来店時にQRコードやバーコードを提示することで、カード型のように本人確認やポイントが加算されます。
近年では、スマートフォンを使ったキャッシュレス決済が普及しており、財布を持たずに買い物に行く消費者も増えています。スマートフォンに入れられるデジタル会員証であれば、紙の会員証を持つのは面倒と感じている消費者にも、会員証を持ち歩いてもらうことができます。
デジタル会員証が普及した背景
デジタル会員証が増えているのにはどんな背景があるのでしょうか。日本は「ポイントサービス大国」と呼ばれるほどポイントに対する意識が高く、主婦などの間でも”ポイ活”(ポイント活動)が流行っています。各社がポイントカードや紙の会員証を発行したことにより、消費者のお財布の中でカードがかさばるようになりました。その結果としてこれ以上カードを持ちたくないという消費者が増え、新たに会員カードを発行する割合が減少しました。また、既にカードを保持している顧客もレジで財布の中からカードを探すのに手間がかかるためカードを持ち歩かないケースが増えました。
その一方で人々がスマートフォンの利用に費やす時間は年々増えており、多くの人がスマートフォンを日常的に持ち歩いています。このような背景からスマートフォンアプリで電子的に会員証を保持でき、お財布の中もかさばらないといったメリットも多いデジタル会員証が普及しました。
デジタル会員証を導入するメリット
デジタル会員証は、「顧客側」でどのようなメリットがあるのか解説していきます。
顧客側のメリット
(1)持ち運びが便利で紛失の恐れがない
前述の通りですが、紙やカードの会員証は持ち運ぶとかさばったり、レジでお財布から取り出す手間もかかります。、さらに滅多に使うことのない店舗のカードは家に置いたままになり、ポイントも気づかないうちに失効してしまうこともあります。デジタル会員証であれば、スマートフォンを持ち歩くだけなので利便性・携帯性に優れています。複数の店舗で会員登録をしても、紙やカードが増えていかないので会員証の発行も気軽に行えます。また、スマートフォン本体を無くさない限り会員証紛失の恐れもないため、以前に比べて管理も楽になります。
(2)店舗からの情報を受け取れる
従来の会員証は、顧客がその店舗の会員であることを証明したり、ポイントを獲得したりするのに用いられていました。デジタル会員証は、それに加えて店舗からの情報も受信できます。例えば、デジタル会員証を通して営業時間の変更や新製品のお知らせ、セールやイベントなどのお得な情報を受け取ることができます。
店舗側のメリット
次にデジタル会員証が「店舗側」でどのようなメリットがあるのか解説していきます。
(1)会員登録の作業負荷軽減
デジタル会員証であればスマートフォン上で簡単に会員登録を行うことができます。入力項目を最小限に抑えれば会員登録率も増加します。顧客自身で登録完了できるので、従来のように紙の登録用紙に記入した顧客情報を、店舗スタッフがPCに手入力(パンチ入力)して登録するという煩雑さから解放されます。
(2)レジオペレーションの効率化と会員データの活用
会員情報がアナログからデジタルになることで、データベース上にある情報をいつでも確認することができるようになります。会員証を忘れても、名前や電話番号で検索しポイントを付与することができたり、ポイント残高や利用履歴の確認なども簡単に行えるようになりました。
また、店舗のPOSレジと連携すれば、クレジットカードと連動しているポイントカードなら売上処理とポイント付与を一度に行うことができ、業務効率が上がります。さらに会員に紐づいた購買情報などが蓄積されるので統計や分析にも活用することができます。
ECサイトのようなオンライン会員と、店舗に来店される実店舗会員のデータ統合がしやすいことも、デジタル会員証のメリットといえるでしょう。
(3)会員数や利用率の向上
デジタル会員証の導入により、店舗からキャンペーンやクーポンといったお得な情報を会員のスマートフォンに配信することができるので、利用率の向上が期待できます。 これまで、会員証を発行するメリットを訴求しても、紙やカードの会員証は持ち歩きたくない、これ以上会員証を増やしたくない、財布などに入れて携帯するのが面倒などの理由で発行しなかった顧客も存在していましたが、スマートフォン(デジタル)であれば上記の理由から会員証を発行しなかった顧客を取り込める可能性があります。
スマートフォンの通知機能を利用して、タイムリーにクーポンやお得情報を配信すれば店舗への来店を促すことが可能になります。
(4)広告費を抑えて集客できる
デジタル会員証を通じてリピーター促進を行うことで、Webや折込広告、情報誌などへの広告費を抑えることができます。 デジタル会員証のメッセージやプッシュ通知を活用することで直接会員へ自社のキャンペーン情報やクーポンを届けられるため、広告掲載の種類や期間・頻度を減らし、広告費の削減にも繋がります。
デジタル会員証導入によるデメリット
(1)導入・運用費用がかかる
会員情報をデジタルで管理するためには、システムの導入が必要です。デジタル会員証のメリットは前述したとおりですが、システム導入や運用のコストを事前に把握し、費用対効果を検証しておく必要があります。
導入・運用でかかる主な費用は以下の通りです。
- 導入初期費用
- 保守・運用費用
- サーバーのレンタル費用
- アプリストアの登録費用(アプリの場合)
また、システムやアプリの開発を外注すると、その分の費用がプラスで掛かります。
(2)スマホを利用しているユーザーに限定される
デジタル会員証はスマートフォンを所持し、使い慣れている層にしか効果がありません。特に高齢者の方はスマートフォンを持っていなかったり、操作に不慣れな方もいます。そのような顧客にとってはデジタル会員証がかえって不便に感じるかもしれません。
顧客に高齢層が多い店舗の場合は、紙やカードとの併用も検討しなければなりません。
(3)スタッフへの教育
従来の紙やカードの会員証からデジタルに移行するためには、スタッフが対応できるように教育しておく必要があります。会員証の移行の方法・操作方法などを教育し、スタッフが対応できるようにしなければなりません。デジタル会員証へ移行後に店舗で想定されるトラブルや、案内・説明のオペレーションをマニュアル化しておくとスタッフも安心して働けます。
デジタル会員証3つの導入パターン
(1)スクラッチ開発
スクラッチ開発とは、1からシステムを作り上げる開発のことです。スクラッチ開発では、自社専用のデジタル会員証のシステムやアプリを開発することができます。そのため自社が必要な機能盛り込んだ使いやすいシステムを開発できるメリットがある一方で、すべての機能を新たに作る必要があるため、開発期間やコストは他の方法よりもかかってしまう傾向があります。また、リリース後も継続的な保守・運用を実施していかなければなりません。
(2)アプリ開発
アプリ開発とは、専門知識を持った企業に依頼し、自社のスマートフォンアプリを開発してもらう方法です。自社で1からアプリ開発を行う環境がなくても、オーダーメイドでアプリを作りたい場合に選択されます。専門の開発企業に依頼するため、どの企業でも手段として取りやすいメリットがあります。
アプリ開発サービスには、標準的な機能がデフォルトとしてあらかじめ用意されているため、スピーディかつ低コストでの開発が可能となります。また、プラットフォーム側でセキュリティパッチ対応などの運用保守を実施してくれるというメリットもあります。
一方で、アプリ開発サービス上での開発は、スクラッチ開発と比較して柔軟性に欠けるため、自社の要件がすべて反映できないケースもあります。また、リリース後のメンテナンスにばらつきがあったり追加機能は別途費用がかかるといったデメリットもあります。
(3)LINEアプリ
LINEアプリからも簡単にデジタル会員証を発行することができます。LINEミニアプリという名称で提供されており、「パッケージ」または「個別開発」(またはその両方)から選択することができます。
LINEミニアプリでは会員証機能だけでなく、取得した顧客情報の管理や、それを基にしたメッセージ配信など、さまざまな利用方法があります。LINE公式アカウントとも相性が良く、友だち追加を増やせば利用ユーザーをリピート化しやすいです。
ユーザーは、いつも使っているLINEからQRコードを読み取るだけで、アプリダウンロードなどの手間なく会員証を利用できるため、利用率アップも期待できます。
LINE公式アカウントのリッチメニューから、既存のポイントサービスをリンクして会員証を表示させるサービスもあります。
VALUE GATE(トリニティのポイントサービス)
弊社のポイントサービス「VALUE GATE」もデジタル会員証としてご利用いただけます。お手持ちのスマートフォンが会員カードとして利用でき、ランクやポイント数の表示、ランクUP条件の表示も可能です。スマートフォンはもちろんタブレットやPCブラウザにも対応しています。アプリをダウンロードする必要がなくWeb上で会員証の表示ができるため、サービスの導入も簡単で、会員登録のハードルも下がります。
また、管理者用のサイトで見られるレポート機能も充実しているため、会員数・ポイント数の推移や顧客分析も簡単に行うことができます。
デジタル会員証を最大限に活用するには
POSシステムとの連携
デジタル会員証を最大限に活用していくためには、POSシステムとの連携が重要となります。レジに専用のポイント端末を設置する場合もありますが、POS端末からポイント処理を行うことができれば余分な機器を置く必要がありません。その際POSに求められる機能として、バーコードやQRコードの読み取りや、読み取ったあとにポイント残数の表示やポイントの充当を実施できる機能があげられます。キャンペーンなどで特定の商品のポイント付与率を変えたり、誕生月限定でポイント2倍といった施策を実施する場合の柔軟な付与設定も必要です。
会員データとPOSシステムを連携することで、会員情報と購買履歴を紐づけることができるようになり、この商品はどういった人に需要があるのか、年齢や性別、職業など、多くの情報を獲得できるでしょう。さらに、売れた時間や販売総数などもわかるようになります。
オンラインとの連携
最近では実店舗と併せてオンライン店舗を展開している企業も多く存在します。ECサイトなどのオンラインの購買情報も含めて一元管理できると、データ活用の幅を広げることができます。例えばオンラインで購入した商品の交換や返品を店頭で実施したい場合なども、データが一元化されていれば、POS端末からオンラインでの購入履歴を確認することができます。
ユーザー側も、実店舗で貯めたポイントをECサイトで利用したり、ECサイトで商品を検索してから実店舗で直接確認をして購入するなど利便性も向上するため顧客満足につながります。
まとめ
今回はデジタル会員証についてご紹介しました。デジタル会員証には、顧客の利便性向上と店舗側の販促への活用・データ収集というメリットがあるため、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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