【商業施設向け】ポイント管理システムの見直しで顧客満足度をアップ!
目次[非表示]
- 1.商業施設における現状と課題
- 1.1.多様なテナントが集積する環境
- 1.2.顧客ニーズの多様化とターゲティングの難しさ
- 1.3.オンラインショッピングとの競争
- 2.商業施設におけるポイント管理とは?
- 3.ポイント管理が商業施設にもたらす3つのメリット
- 3.1.顧客ロイヤルティの向上
- 3.2.顧客データを活用したマーケティングの強化
- 3.3.買いまわりと再来店の促進
- 4.ポイント管理システム導入の課題と注意点
- 4.1.どのシステムを選べばいいかわからない
- 4.2.ポイント原資の負担とテナントへの精算
- 4.3.テナントへの説明と操作レクチャー
- 4.4.顧客への分かりやすい説明と利用促進
- 5.効果的なポイント管理システムの活用例
- 5.1.スマートフォンアプリによるポイント連携
- 5.2.会員ランク設定
- 5.3.クーポンやキャンペーンの実施
- 6.顧客・ポイント管理システム「VALUE GATE」の活用
- 6.1.「VALUE GATE」でできること
- 6.2.「VALUE GATE」の商業施設での導入事例紹介
- 6.2.1.野村不動産様「ボーノ相模大野」
- 6.2.2.泉北光明池専門店事業協同組合様「光明池サンピア」
- 7.まとめ
商業施設における現状と課題
多様なテナントが集積する環境
商業施設は、ファッション、飲食、エンターテインメント、サービス業など、様々な業種が一つの場所に集まることで、顧客に多様な選択肢を提供します。この多様性により、さまざまな趣味趣向のある顧客の来店を促すことができます。買い物だけではなく、食事や娯楽を楽しみたいという顧客が集まれば、施設全体の回遊性が向上し、施設内での滞在時間が延びることが期待できます。
一方で、それぞれのテナントが異なる業態やビジネスモデルを持っているため、商業施設全体として統一された集客戦略を構築することが難しいという課題も存在します。例えば、ファッション系のテナントはセールや季節ごとのプロモーションが重要ですが、美容院などのサービス業は異なる集客手法が求められます。このような背景から、商業施設は多様なニーズに応じた柔軟な施策を展開する必要があり、各テナントとの協力体制や施設全体で使えるポイントサービスなどを通じて、一貫した戦略を築くことが重要となります。
顧客ニーズの多様化とターゲティングの難しさ
以前は、「買い物」を主な目的として商業施設を訪れることが多かったものの、今では顧客が求めるものは単なる「モノ」だけではなく、「コト」や「体験」へとシフトしています。例えば、買い物に加えて、友人や家族と楽しめるレストランやカフェ、さらにはリラクゼーションやエンターテインメント施設の利用を重視する顧客も増えています。このような多様なニーズに対応するため、商業施設は従来の「物販」だけに頼らず、「体験型」のサービスやエンターテインメントの充実を図る必要があります。
さらに、商業施設を訪れる層も、世代やライフスタイルによって異なる価値観を持つようになりました。若い世代は、SNS映えする場所や、デジタル体験を取り入れたショップに関心を寄せる一方、シニア層は落ち着いた環境や丁寧な接客を重視する傾向があります。また、ファミリー層やカップルなど、訪問するグループの構成によっても、利用する店舗や求めるサービスは異なります。こうした顧客の多様なニーズに対応するため、ターゲティングはますます複雑になっており、全顧客が満足する施策を立てることが難しくなっています。
オンラインショッピングとの競争
特に近年、コロナ禍の影響もありeコマースの成長が著しく、消費者はスマートフォンやパソコンから簡単に商品を購入できるようになりました。これにより、消費者が実店舗に足を運ぶことが減り、商業施設への来店者数が減少する傾向が見られます。オンラインであれば、営業時間や地理的な制約を気にせず、24時間どこからでも買い物ができ、価格比較や口コミの確認も簡単に行えるため、多くの消費者にとって魅力的な選択肢となっています。
この流れを受け、商業施設はオンラインショッピングにない「体験」や「リアルなコミュニケーション」を強化することで差別化を図る必要があります。例えば、リアル店舗でのショッピング体験や、実際に手に取って商品を確認できること、対面での丁寧な接客、イベントやワークショップなど、店舗でしか得られない付加価値を提供することが重要です。
商業施設におけるポイント管理とは?
商業施設におけるポイント管理は、顧客の購買履歴や行動データを活用し、ロイヤルティの向上や再来店を促すための重要なツールです。顧客がポイントを貯めて利用する仕組みを導入することで、施設全体での顧客体験を向上させ、再来店の動機づけを強化します。
次に、ポイント管理がもたらすメリットを見ていきましょう。
ポイント管理が商業施設にもたらす3つのメリット
顧客ロイヤルティの向上
多様な店舗が集まる商業施設では、単一のブランドや店舗に縛られない「施設全体」の体験が、顧客にとっての付加価値になります。ここでのポイントサービスは、単なる割引や特典を提供するだけではなく、商業施設全体の利用価値を高め、顧客に再訪を促す効果的なツールとして機能します。例えば、会員ランク制度による施策で言えば、VIPイベントへの招待や、限定商品の購入機会提供など、魅力的な特典を用意することで、顧客ロイヤルティの向上が期待できます。商業施設全体の顧客ロイヤルティが向上すれば、継続的な来店や1回あたりの購入金額の増加など、売上UPにつながる可能性が高まります。
顧客データを活用したマーケティングの強化
商業施設におけるポイント管理システムは、単に顧客に特典を提供するだけでなく、顧客データを収集・活用して、より効果的なマーケティングを実現するための有効なツールとなります。特に多種多様なテナントが集まる商業施設では、顧客の購買行動や嗜好を正確に把握し、パーソナライズされたプロモーションを行うことで、来店者数の増加や売上の向上を図ることが可能です。
まず、ポイント管理システムを通じて取得できるデータは、顧客の購買履歴、来店頻度、利用店舗の種類などさまざまなものがあります。これらのデータを分析することで、例えば「どの時間帯にどの店舗が多く利用されているのか」や「どの年代の顧客が特定の店舗を好んでいるか」といった詳細なインサイトが得られます。これに基づき、ターゲット顧客層に最適なキャンペーンやプロモーションを実施することが可能です。
買いまわりと再来店の促進
商業施設で共通して利用できるポイントシステムを導入することにより、施設内の複数のテナントでポイントを貯めたり使ったりすることができるようになります。これにより、洋服を購入して溜まったポイントをランチの飲食店で利用したりするなど、自然と複数のテナントを利用する「買いまわり」の行動が促されます。
この結果、顧客の施設内滞在時間が延び、売上アップにつながります。また、定期的にポイントアップキャンペーンや期間限定特典を実施することで、顧客に特定のタイミングでの来店を促すことができ、再来店率の向上に寄与します。
ポイント管理システム導入の課題と注意点
どのシステムを選べばいいかわからない
ポイント管理システムと一口に言っても、その種類や機能は多岐にわたります。スタンプカードのようなシンプルなものから、スマホアプリと連携した会員証、既存のPOSシステムやCRMとの統合が可能な高機能なものまで、選択肢はさまざまです。そのため、どのシステムが自社の商業施設に最適なのか、迷ってしまうことも少なくありません。
商業施設向けのポイント管理システムを選定する際、特に注目すべきポイントは「テナント精算」と「ポイント端末」です。商業施設内の各テナントで付与されたポイントを集計し、月ごとに精算する必要がある場合、システム自体がテナントごとのデータを適切に管理できる機能を備えているかどうかは、非常に重要です。
次に、ポイントを付与する際に使用する端末についても考慮が必要です。テナントがPOS端末を持ち込むケースが多いため、これを商業施設全体で統一するのは困難です。そのため、クレジット決済端末にポイント機能を搭載できるシステムを導入することで、施設全体での統一運用が可能となり、操作性が向上します。あるいは、専用のポイント端末を導入することも一つの方法ですが、レジ周りが煩雑になりやすいという課題があります。
このように、システムの選定にあたっては、データの管理方法や端末の選択について慎重に検討することが求められます。テナントと顧客の双方にとって使いやすいシステムを導入することで、施設全体の運営効率が大きく向上し、長期的な成功を支える基盤となるでしょう。
ポイント原資の負担とテナントへの精算
商業施設でポイントサービスを導入する際、ポイント原資の負担とテナントへの精算は非常に重要な課題となります。通常、ポイントサービスは、顧客が商品を購入するたびにポイントを付与し、そのポイントを次回以降の買い物で割引として利用できる仕組みです。この仕組みを円滑に運用するためには、ポイントの原資をどこが負担するか、そして各テナントへの精算方法をどうするかが大きな論点となります。
商業施設によって、ポイント原資の負担はさまざまです。例えば、購入した金額に応じたポイントを付与する、いわゆる「基本ポイント」についてはテナント側が原資を負担し、キャンペーンなど特別に付与するポイントについては商業施設が負担するというケースもあります。
このような原資負担のルールが明確に定められないと、今後テナントとのトラブルにもなりかねません。そのため、事前に商業施設とテナントの間で、ポイント付与に関する合意をしっかりと行うことが重要です。
テナントへの説明と操作レクチャー
商業施設でポイント管理システムを導入する際、テナントへの十分な説明と操作レクチャーは欠かせません。特に、ITリテラシーに差があるテナントがいる場合、サポート体制を整えることが課題となります。
操作だけではなく、テナントそれぞれがポイントサービスの利便性やメリットを理解し、積極的に活用してもらうことが必要です。ポイント付与や利用のタイミングで、どのように顧客にアピールするかなど、マーケティングの視点からのアドバイスも有効です。テナント側がシステムを単なるツールとしてではなく、売上や集客を増やすための戦略的な手段として使えるようにサポートすることが、商業施設全体の成功に直結します。
顧客への分かりやすい説明と利用促進
ポイントサービスの導入後は、顧客がその仕組みを理解し、積極的に利用するように促すことが求められます。店頭やウェブサイト、アプリなどを活用して、ポイントの貯め方や使い方、特典の種類、どのようなメリットがあるのかを明確に伝えることが大切です。例えば、レジでの会計時にポイントの利用方法を説明するスタッフのサポートや、施設全体でリーフレットなどを配布するなどの対応が考えられます。
また、ポイントを貯めたくなるような動機づけとして、期間限定のポイント10倍キャンペーンや、初回利用時の500ポイントプレゼントなど、施策を試みることも効果的です。
効果的なポイント管理システムの活用例
スマートフォンアプリによるポイント連携
近年、スマートフォンアプリを活用したポイント管理は、商業施設において欠かせない存在となっています。顧客は常にスマートフォンを携帯しているため、アプリを通じたポイント管理は、紙のカードやプラスチックの会員証よりも圧倒的に利便性が高まります。会員証を忘れることなく、即座にレジで提示でき、いつでもポイント残高を確認できる機能を持つことも魅力です。
また、アプリのプッシュ通知を活用すれば、施設全体のキャンペーンやセール情報も簡単に配信することができ、顧客にとって施設を訪れるモチベーションを高める手段にもなります。
会員ランク設定
一定の条件をクリアした顧客が「ゴールド会員」や「プラチナ会員」といった上位ランクに昇格する仕組みを導入することで、顧客のロイヤルティを高めることができます。
ランクごとの特典内容を明確に伝えることで、顧客に「上位ランクに達するメリット」を強く認識させることができます。そして、スマートフォンアプリやウェブサイト上で、現在のランクや次のランクへの達成状況を可視化することで、顧客はランクアップに向けた目標意識を持つようになります。これにより、商業施設のファンとなる顧客が増え、リピーターとして定着していく可能性が高まります。
クーポンやキャンペーンの実施
ポイントサービスと連動したクーポンや期間限定キャンペーンを実施することで、来店頻度を増やし、顧客の購買意欲を高めます。
例えば、期間限定のポイント倍増キャンペーンや、特定の店舗で利用できるクーポンの配布は、顧客に対して「今、行かないと損をする」という購買意欲を刺激します。こうした施策は、イベントやセール時期に合わせて展開することで、来店頻度を高め、施設全体の活気を生み出すことができます。
また、定期的にキャンペーンの内容を刷新し、季節ごとやイベントごとに新しい特典を提供することで、顧客に常に新しい体験を提供し続けることができます。これにより、顧客は商業施設を「飽きることのない場所」として認識し、定期的な来店を促進することができます。
顧客・ポイント管理システム「VALUE GATE」の活用
「VALUE GATE」でできること
「VALUE GATE」は、顧客管理とポイント管理を一元化し、商業施設全体の運営を効率化するシステムです。顧客属性に基づいたターゲティングや、柔軟なポイントルールの設定が可能で、施設のニーズに合わせたカスタマイズにも対応しています。「会員カードをスマホ化したい」「テナントや施設ごとにポイント管理したい」などのご要望にお応えします。
VALUE GATEではポイントの付与・利用・取消などの基本的な操作に加えて、顧客会員の情報を管理することができます。会員ランク機能では、利用頻度や金額に応じてゴールド会員、シルバー会員などに分類し、リピーターに向けた特典を用意することでロイヤルティ向上が見込めます。
「VALUE GATE」の商業施設での導入事例紹介
野村不動産様「ボーノ相模大野」
野村不動産株式会社が運営するボーノ相模大野では、既存のクレジット決済端末のサービス終了をきっかけに、新しい決済端末への移行が必要となりました。新たに採用された端末は「stera terminal」であり、この端末に対応したポイントサービスが必要でした。さらに、既存の磁気カードタイプの会員証を残しつつ、スマホ会員証も導入することで顧客満足度向上を測りたいという要望もありました。
導入の決め手となったのは、「VALUE GATE」がstera terminalで磁気カードを使用できる唯一のポイントサービスだった点です。さらに、LINEとの連携が可能であることや、管理サイト上でのポイント管理や設定など操作性がわかりやすいという点も大きな評価ポイントとなりました。
泉北光明池専門店事業協同組合様「光明池サンピア」
泉北光明池専門店事業協同組合が運営する光明池サンピアでは、既存のポイントシステムの保守切れをきっかけに、新たなシステムへのリプレイスが必要となりました。
「VALUE GATE」を導入する決め手となったのは、旧ポイントサービスからのスムーズなデータ移行が可能であることに加え、クレジット決済端末上で磁気カードを利用したポイント処理に対応している点でした。また、過去に他の商業施設への導入実績があったことも大きな信頼を得たポイントでした。
まとめ
商業施設におけるポイント管理は、単なる顧客サービスにとどまらず、施設全体の集客力や売上向上に直結する重要な施策です。多様なテナントが集まる商業施設では、ポイントサービスを効果的に運用することで、顧客のロイヤルティを高め、再来店や買い周りを促進することができます。さらに、顧客データを活用したターゲティングや、スマートフォンアプリとの連携、会員ランク設定やクーポンキャンペーンなどを組み合わせることで、パーソナライズされた顧客体験を提供し、施設全体の活性化につなげることが可能となります。