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ブランドを応援したくなる!ファン化成功の施策とは?


近年、市場の成熟に伴い、顧客離れに悩むブランドが増えています。そんな中でも、安定した売り上げを維持し、新規顧客を絶えず引き寄せているブランドには、「ファン」という大きな存在が欠かせません。ファンはブランドに対して強い愛着を抱き、自発的にSNSでのシェアや口コミを広めることで、新たな顧客を引き寄せる力を持っています。

本記事では、ブランドが顧客の「ファン化」を実現するための施策をご紹介します。ぜひ最後までご覧ください。

目次[非表示]

  1. 1.ブランドのファンとは?
    1. 1.1.ファンとリピーターの違い
  2. 2.顧客のファン化が重要な理由
    1. 2.1.ブランドの課題解決につながる
      1. 2.1.1.(1)他社との差別化が難しい
      2. 2.1.2.(2)リピートにつながらない
    2. 2.2.ブランド価値の向上
      1. 2.2.1.(1)継続的な購買をしてくれる「ロイヤルカスタマー」
      2. 2.2.2.(2)口コミやSNSでの情報発信を通じてブランドの拡散に貢献
  3. 3.顧客のファン化を促進させる4つの施策
    1. 3.1.(1)高品質な商品やサービスの提供
    2. 3.2.(2)ブランドストーリーの発信
    3. 3.3.(3)顧客との交流
    4. 3.4.(4)ロイヤリティプログラムの導入
      1. 3.4.1.ブランド独自のポイントサービスなら「VALUE GATE」がおすすめ
  4. 4.ブランドのファン化に成功した企業
    1. 4.1.カゴメ株式会社
    2. 4.2.スターバックスコーヒージャパン
    3. 4.3.パタゴニア
  5. 5.まとめ


ブランドのファンとは?


現代のマーケティングにおいて、単なるリピーターを超えてブランドや企業の理念に共感し、積極的に応援する顧客の存在は非常に重要です。こうした顧客を「ブランドのファン」と呼びます。ファンはブランドの価値やミッションに深く共感しているため、価格の変動や類似品の登場に左右されることなく、長期的な関係を築くことができます。


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ファンとリピーターの違い



ファン
リピーター

感情的なつながり

ブランドの理念や価値観に共感し、感情的なつながりがある

特定の商品やサービスに満足し、感情的なつながりはない

プロモーション

自発的にブランドを宣伝し、口コミやソーシャルメディアで積極的にシェアする

自身の満足度に基づいて再購入を行うが、積極的な宣伝は少ない

ブランドとの関わり方

ブランドのイベントやコミュニティに積極的に参加し、フィードバックを提供する

商品を購入するが、イベントには参加しない

離脱の可能性

低い(ブランドへの深い愛着があるため)

あり(他に満足できる商品があれば離脱する)

ファンとリピーターは、ブランドに対する関わり方が異なります。ファンはブランドや企業の理念に感情的に共感し、積極的に応援する顧客です。彼らはブランドの価値観やミッションに深く結びつき、長期的な関係を築きます。例えば、ファンはブランドのストーリーや理念に共感し、それを周囲にも伝えたいと考え、自発的にブランドを宣伝します。さらに、ファンは新製品やサービスにも積極的に関心を持ちます。

一方、リピーターは特定の商品やサービスに満足し、繰り返し購入する顧客です。彼らは商品単位での満足度が高く、品質や価格に対する信頼から再購入を行います。リピーターはブランド全体への感情的なつながりが少ないのも特徴です。

このように、ファンはブランドの理念に共感し、積極的に応援する存在であり、リピーターは特定の商品やサービスに満足し、再購入を行う顧客です。ブランドはこの違いを理解し、ファンとリピーターそれぞれに適したマーケティング戦略を立てることで、より効果的な関係を築くことができます。

顧客のファン化が重要な理由

顧客のファン化は、現代のマーケティングにおいて欠かせない戦略です。リピーターを超えて、ブランドや企業の理念に共感し、積極的に応援するファンを育てることで、他社との差別化を図り、顧客との長期的な関係を築くことができます。ファンはブランドに対する高い信頼を持ち、自発的にプロモーションを行うため、自然な口コミ効果が期待でき、ブランドの成長に貢献します。

ブランドの課題解決につながる

市場には多くの類似製品が存在し、機能や価格だけでは顧客を引きつけることが難しい状況です。また、選択肢の多さや感情的なつながりの欠如が、顧客のリピート率を下げる要因となっています。ブランドが抱える課題として以下の2つが挙げられます。

(1)他社との差別化が難しい

単純な機能や価格での競争だけでは顧客を惹きつけ続けるのが困難です。多くの市場では、製品やサービスの機能や価格が似通っているため、顧客はどのブランドを選ぶか迷うことが多くなります。このような状況の場合、「ブランドの理念や価値観に共感してもらうこと」が、他社との差別化を図るための重要な要素となります。

(2)リピートにつながらない

選択肢の多さや、感情的なつながりの欠如は、リピートにつながらない原因の1つです。顧客がブランドに対して感情的なつながりを感じない場合、他の選択肢に簡単に移ってしまう可能性があります。ブランドが顧客のファン化を進めることで、顧客との感情的なつながりを強化し、リピート購入を促進できます。

ブランド価値の向上

ファンの存在は、ブランドの成功において非常に重要です。ファンがいることで、ブランドの信頼性や価値を高めることにつながります。具体的にファンがどのようにブランド価値の向上に寄与するのかを見ていきましょう。

(1)継続的な購買をしてくれる「ロイヤルカスタマー」

ファンは、ブランドに対して感情的なつながりを持つため、価格や利便性よりも「このブランドを選びたい」という思いで購入します。彼らはブランドの理念や価値観に共感し、長期的にブランドを支持し続けるため、安定した売上をもたらします。

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(2)口コミやSNSでの情報発信を通じてブランドの拡散に貢献

ファンはブランドを自らのアイデンティティの一部として捉えることが多いため、家族や友人に自然におすすめしたり、SNSに投稿してくれます。その結果、ブランド認知が広がり、新たな顧客の獲得につながります。ファンの口コミやSNSでのシェアは、広告以上の効果を持つことがあり、ブランドの信頼性を高める重要な要素となります。

顧客のファン化を促進させる4つの施策

ブランドが顧客のファン化を促進するには、以下の4つの施策が効果的です。

(1)高品質な商品やサービスの提供

ファン化の土台となるのは、まず商品やサービス自体が高品質であることです。顧客は品質に満足することで、ブランドに対する信頼を築きます。さらに、迅速かつ丁寧なカスタマーサポートを提供することで、顧客の満足度を高め、長期的な関係を築くことができます。

(2)ブランドストーリーの発信

顧客に「共感」や「親近感」を抱いてもらうためには、ブランドストーリーを効果的に発信することが重要です。 ブランドストーリーは、単に企業の歴史や商品説明を伝えるだけではなく、ブランドの背後にある理念や価値観、そしてそのブランドがどのようにして誕生したのか、どんな想いで成長してきたのかを語ることが大切です。特に、ブランドが持つ独自のストーリーや価値観が顧客のライフスタイルや理想と一致する場合、そのブランドに対する愛着や信頼は一層深まります。

(3)顧客との交流

一方的な情報発信ではなく、顧客と双方向でつながることが重要です。SNSやイベントを通じて、顧客との積極的なコミュニケーションを図りましょう。

また、企業と顧客だけでなく、顧客同士のつながりを作るユーザーコミュニティの形成も効果的です。ユーザーコミュニティで議論されたことが商品改善に反映されることで、顧客は自分も商品に関わっている特別感を感じることができます。

(4)ロイヤリティプログラムの導入

ロイヤリティプログラムは、顧客の維持と継続的な売上向上を目的とした強力なマーケティングツールです。ポイントサービスや会員ランク制度、特典などを組み合わせることで、顧客の購買意欲を高め、ブランドへの愛着を強化できます。これにより、顧客はブランドに対してさらに強いロイヤリティを持つようになります。

ブランド独自のポイントサービスなら「VALUE GATE」がおすすめ


トリニティのポイントサービス「VALUE GATE」は、顧客のファン化を促進したい企業に最適です。サービスを通じて収集される顧客データは、性別や年齢、購入履歴などをもとに分析され、ターゲットに最適化されたプロモーションや商品提案が可能になります。これにより、顧客の嗜好に応じたコミュニケーションがとれ、顧客の購買意欲を上げることができます。

さらに、会員ランク制度を設けることで、顧客のファン化を促進できます。ランク制度は、「お得に利用したい」「ステータスを感じたい」という顧客心理を上手く活用できるからです。一定ランク以上だからこそ受けられるサービスを設定すれば、顧客に「この店の特別な客である」という意識をもたれるようになります。競争が激しい市場環境の中で、ポイントサービスは顧客から選ばれる理由を作り、企業のブランド価値を高めるための施策となります。

ブランドのファン化に成功した企業

企業の中にはSNSの活用やファンコミュニティの運営といった施策によってブランドのファンを増加させた企業があります。ここからは有名企業3社による成功事例を紹介します。

カゴメ株式会社

野菜ジュースなどの製造・販売を行うカゴメ株式会社は、ファンコミュニティサイト「&KAGOME(アンドカゴメ)」を運営しています。このサイトでは、商品のレビュー機能や製品を使用したレシピの紹介など、サイトユーザーが参加できるコンテンツが提供されています。さらに、ユーザーの声を聞く座談会や工場見学なども実施し、ユーザーとの関わりを大切にしています。

特に「トマコミ」という、トマトを育てている人同士が交流できるコミュニティサイトでは、ユーザー同士がその成長記録を報告し合うことができるため、コミュニティ全体の活性化が促進されました。

そして、毎年「トマト苗プレゼント企画」という企画を実施しており、当選したユーザーたちがトマコミに成長の様子を投稿しているため、さらに活性化につながっています。
このように、ユーザー同士が交流できる場を提供することで、ブランドに対する熱量を高め、離脱を防ぐ仕組みが実現しています。既存のファンだけでなく、新規のファンも気軽に楽しめる仕組みを作ることで、ファンの広がりが促進されることが成功のポイントです。

スターバックスコーヒージャパン

世界中に展開するスターバックスコーヒーは、多くのファンを持つ大手コーヒーチェーンです。テレビCMやチラシなどの広告にほとんどコストをかけず、SNSを活用して売り上げを伸ばしてきました。SNSでは、新商品やキャンペーンの情報、商品のカスタマイズなどを発信しており、投稿を通じて来店を促すことで顧客を獲得しています。

2013年にはSNSでの拡散によって新商品が話題となり、発売初日の売り上げが予測の2〜3倍になるケースもありました。スターバックスのSNS活用はテレビCM以上の大きな宣伝効果をもたらしているといえます。

また、コーヒーの魅力を伝える「コーヒーセミナー」も実施しており、顧客のファン化を促しています。コーヒーセミナーでは、コーヒーの美味しい淹れ方やそのコーヒーがどのように出来上がってきたのかなど、コーヒーに関する知識をスターバックスの店舗で教えてもらいながら楽しむことができます。その体験を通じて、顧客はスターバックスというブランドやコーヒーを理解して、得た知識を周囲に拡散してくれます。そうすることで新たな顧客を連れてくるという仕組みを作ることに成功しました。

パタゴニア

パタゴニアは、アメリカ発祥のアパレルブランドです。サステナブルな素材や長く使える機能的な商品を提供するアウトドアブランドとして知られていますが、特に環境問題への取り組みで有名です。1985年に売上の1%を自然環境の保護・回復のために使うことを誓約し、これまでに約375億円以上を環境保護団体に寄付してきました。また、環境や資源問題に対する支援や情報発信を長年続けています。

多くの顧客は、最初はパタゴニアの機能やデザインに魅了されて製品を購入しますが、次第にパタゴニアの価値観や取り組みに共感し、ファンになるケースが多いです。こうしたファンは、製品のフィードバックにも積極的で、単なる購入者にとどまらず、作り手に近い位置からブランドを長く支える存在となっています。このように、パタゴニアは環境保護への真摯な取り組みを通じて、顧客の共感を得てファン化を成功させています。

まとめ

顧客がファンになれば、安定した売上の確保や顧客獲得コストの削減など、多くのメリットがあります。ファン化を促進するためには、ブランドにとってのファンの定義を明確にしたうえで、その特徴に沿った適切な施策を行うことが大切です。本記事をぜひ参考にしてみてください。





株式会社トリニティ
株式会社トリニティ
2000年よりポイントサービス事業を開始。商業施設やスーパー、ホテルや飲食店など店舗を複数経営している企業に対し、お店のファンを増やすための販促ツールとしてポイントサービスおよび周辺ソリューションを提供しています。

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