顧客の心をつかむ!成功する店頭プロモーションの8つの手法
目次[非表示]
- 1.店頭プロモーションってなに?
- 1.1.店頭プロモーションが重要な理由
- 1.2.インストアマーケティングとの違い
- 2.店頭プロモーションのメリット
- 2.1.(1)ブランド認知度の向上
- 2.2.(2)購入率が上がる
- 2.3.(3)購入単価が上がる
- 2.4.(4)リピーターが増える
- 3.店頭プロモーション8つの手法
- 3.1.価格主導型
- 3.1.1.(1)特別価格・割引セール
- 3.1.2.(2)数量割引・バンドル販売
- 3.1.3.(3)増量パック
- 3.2.非価格主導型
- 3.2.1.(4)実演販売
- 3.2.2.(5)POP
- 3.2.3.(6)デジタルサイネージ
- 3.2.4.(7)限定グッズ・ノベルティ配布
- 3.2.5.(8)ポイント制度
- 4.店頭プロモーションのコツ
- 4.1.(1)目的やターゲットに適する手法を選ぶ
- 4.2.(2)売り場全体の訴求を考える
- 4.3.(3)ブランドイメージを意識する
- 5.店頭プロモーションの事例
- 5.1.アディダス ジャパン株式会社
- 5.2.株式会社ジーユー
- 5.3.株式会社ホットランド
- 6.まとめ
店頭プロモーションってなに?
店頭プロモーションは、セールスプロモーション(販売促進)の一種で、商品やサービスを販売するための販促活動のことを指します。「インストアプロモーション」や「店頭販促」とも呼ばれており、実店舗で実施されている戦略です。
具体的な例として、以下のような手法があります。
- 売り場に掲出するポスター
- 店内で行われるサンプリング
- お得感を演出する割引キャンペーン など
顧客に商品を直接手に取っていただいたり、直接見ていただくことで購買意欲を刺激することができます。
店頭プロモーションが重要な理由
店頭プロモーションは、顧客が直接的に商品やサービスを体験できるため、商品に対するリアルな印象を与えることが可能です。また、似たような商品やサービスが多い場合には、実際に「見る」「触れる」「試す」ことで他の商品やブランドと差別化でき、顧客に選ばれるきっかけにもなります。来店された顧客の反応やフィードバックをリアルタイムで得ることができるのも実店舗ならではの価値です。
インストアマーケティングとの違い
似たような言葉に「インストアマーケティング」が存在します。インストアマーケティングとは、店舗や売り場の売上を拡大させるための考え方・仕組み作りのことです。商品だけでなく、店舗の雰囲気、陳列、デザイン、サービスなどが含まれます。
簡潔にまとめると店頭プロモーションは、商品自体に焦点を当て、直接的な販売促進を行います。一方、インストアマーケティングは、商品だけでなく店舗全体の環境を整え、ブランド全体の魅力を高めることに焦点を当てています。
店頭プロモーションのメリット
ここからは店頭プロモーションの4つのメリットを紹介します。
(1)ブランド認知度の向上
店頭プロモーションは、顧客に視覚的にアピールすることができます。他社とは違うディスプレイやパッケージは人々の目を引き、ブランドの存在感を高めます。また、店頭プロモーションを通じて、商品やサービスを直接体験できる機会を与えることで、ブランドに対して好意的な印象を抱かせる手助けとなり、ブランド認知が向上します。
顧客にとって魅力的な店頭プロモーションが実施できれば、口コミやSNSでのシェアが期待でき、お店の情報が拡散されやすくなります。そうなれば、より多くの人々に情報が届き、ブランド認知度が向上するでしょう。ブランド認知度はお店への安心感や信頼に繋がるため、社会への影響力も高まります。
(2)購入率が上がる
店舗を訪れる顧客は、商品やサービスに関する興味が高い可能性があります。購入を悩んでいる場合、商品を実際に試すことで商品への不安を軽減させ、購入意欲を高めることができます。店頭プロモーションでは、試食や試着などの体験が「最後のひと押し」となり、購入率向上につながります。
(3)購入単価が上がる
店頭プロモーションを行うことで、1回の購入時に顧客が支払う金額(購入単価)が上がることが期待できます。追加の商品やサービスを紹介したり、グレードの高い商品を提案することで、顧客に魅力的な選択肢を提示し、購入単価を引き上げる効果があります。特定の商品を購入すると別の商品がセット販売されるようなキャンペーンも、購入単価を向上させるために有効です。また、店内の効果的な動線と配置戦略を考え、レジの横に期間限定商品を配置するなど、「ついで」の購入を促進する工夫もおすすめです。
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(4)リピーターが増える
店内でのサンプリングや、割引キャンペーンは顧客にとっても高い満足度を提供できるのと同時に、「またこのお店を利用したい」と思わせるきっかけになり、リピーターを増やすことができます。また、過去に購入した履歴があれば、顧客の趣味嗜好に基づいた提案が可能です。個人が求める商品やサービスを提供することでブランドに対する思いが増していきます。
店頭プロモーション8つの手法
店頭プロモーションには大きく分けて「価格主導型」と「非価格主導型」があります。簡単にまとめると以下のようになります。
・「価格主導型」:割引やセールなどで商品の価格を変動させてお得感をアピールする宣伝方法
・「非価格主導型」:試食や試着など価格以外の方法で商品の魅力をアピールする宣伝方
ここからは店頭プロモーションの具体的な手法について、詳しく解説していきます。
価格主導型
価格主導型の店頭プロモーションは、商品の価格を変動させて消費者の購買意欲を高める事を目的としています。この手法では、商品の安さやお得感をアピールし、「今がチャンス」といった感覚を喚起して購買を促進します。しかし、価格の常態化が変動が売上に悪影響を及ぼす可能性があるため、店頭プロモーションの期間や時間設定が重要です。
(1)特別価格・割引セール
最も典型的な価格主導型店頭プロモーションは特別価格・割引セールです。値引きの告知によって顧客の購買意欲を刺激し、短期的に売上を伸ばす効果があります。しかし、特別価格・割引セールをやりすぎると、顧客が価格に慣れてしまうため、お得感が薄れる可能性があります。特別価格・割引セールを実施する際は、通常料金が割高に感じられないよう、注意が必要です。
(2)数量割引・バンドル販売
数量割引は、一定数量以上の商品を購入することで単価が割引される仕組みです。例えば、3個以上購入すると1割引といった例が挙げられます。この手法は、顧客を大量購買に誘導し、単価を引き下げることで購買意欲を高める効果があります。また、在庫を効率的に動かすことができます。
バンドル販売は、複数の商品をセットとしてまとめ、通常よりもお得な価格で提供する販売形態です。例えば、A商品とB商品の2個セットで割引価格といった例が挙げられます。単品で買うよりも商品の合計金額は安く設定され、消費者にお得感を感じさせて購買意欲を高めます。
数量割引・バンドル販売は、顧客に対して付加価値を提供し、商品のまとめ買いを促すことができます。
(3)増量パック
増量パックは、商品の価格を変更せずに、通常時よりも容量を増やして販売する戦略です。この手法では、洗剤などが「今だけ〇g増量」といった形で販売され、価格は変わらないものの、1gあたりの価格が下がり、顧客にお得感を演出します。
一般的に商品の容量を小売店が変更することが難しく、増量パックはメーカー側が主導で行います。この戦略は、価格を変えずに顧客に追加価値を提供することで、商品の選択肢を強化し、購買意欲を刺激します。お得感を感じつつ、商品に満足度を高めることが期待される増量パックは、メーカーと小売店との連携が重要な要素となります。
非価格主導型
非価格主導型の店頭プロモーションは、商品の機能や効能など価格以外の価値を訴求することで購買意欲を高めるプロモーション方法です。
価格主導型は、お得感を感じてもらうために商品の値段を下げるため、商品1つあたりの利益率は下がります。それに対して非価格主導型は、価格調整以外の方法で商品のアピールや来店動機を促すため、プロモーションが成功すれば利益率を維持しつつ売上を伸ばすことが可能になります。
(4)実演販売
店頭プロモーションにおける実演販売は、商品の魅力を直接体験させる手法で、消費者に商品の特長や利点を五感を通して感じさせる戦略です。商品を手に取り、使用したり味わったりする体験を提供することで、実際に商品を使っているイメージをリアルに想像することができ、購入意欲が高まります。これはインターネットショッピングでは難しい体験や体感を提供できる、実店舗ならではの販促方法と言えるでしょう。
しかし、実演販売は、商品に対する興味が多少なりともある顧客のみ有効です。店頭スタッフのプロモーション能力も重要なため、経験が豊富なスタッフを用意するなど工夫することをおすすめします。
(5)POP
POPとは、Point Of Purchase(購買時点)の略語で「ポップ」または「ピーオーピー」と呼ばれ、店頭や売り場で目にする広告や掲示物のことを指します。商品の魅力や価格を手書きのカードで掲示したり、店内のポスターやのぼり、レジ前の卓上スタンドなどもこれにあたります。しかし、普段買い物をする際にPOPをゆっくりと読む機会はないかと思います。そのため、POPは一瞬で注目を引くデザインや簡潔なキャッチコピーが重要です。商品を購入する店頭では、短い時間で情報を伝えて顧客の興味を引くことが求められます。POPを制作する場合、商品の特徴を魅力的に伝えるデザインにすることで。顧客の印象に残りやすくなります。
(6)デジタルサイネージ
デジタルサイネージは、店舗内にディスプレイやプロジェクターなどを設置し、商品や店舗に関する広告を画像や音声、動画で配信する効果的な販促手法です。電子看板や電子掲示板とも言われます。この手法は、視覚と聴覚を組み合わせた動画ならではの情報伝達が可能であり、来店した顧客の注意を引くのに効果的です。また、時間帯で表示内容を変えたり、内容に修正を加えるなどデジタルならではのメリットもあります。
しかし、デジタルサイネージの導入には、機材の設置や広告動画の制作に費用がかかります。導入前はこれらのコストと費用対効果を検討することをおすすめします。
(7)限定グッズ・ノベルティ配布
限定グッズやノベルティの配布は、特定の期間や条件で購入者に対して提供される特典の一形態です。例えば以下のようなものがあります。
- 特定の商品を購入すると、限定のオリジナルエコバッグがもらえる
- 期間限定で販売される商品には、数量限定のオリジナルタンブラーがついてくる
限定グッズやノベルティの配布は、販促イベントや新商品の発売などで効果的です。また、人気キャラクターとのコラボキャンペーンなどは、新たな顧客層の獲得やブランドの認知度向上を図ります。通常では手に入らない特別なアイテムのため、キャラクターファンの購買意欲を高めるでしょう。
(8)ポイント制度
ポイント制度は、購買に応じてポイントを蓄積することができるため、定期的な来店に繋がります。スマホ会員証を導入した場合、クーポンの配布も簡単に行えるため、顧客とのデジタルな接点を強化します。また、顧客のデータを収集しやすく、クーポンの利用状況や来店実績なども分析できるため、プロモーションの改善や効果測定に役立ちます。
当社のポイントサービス「VALUE GATE」はクレジット端末にポイント機能を搭載し、レジで顧客にポイント付与・利用を行えるサービスです。販促機能として電子クーポンが配布できます。店舗側が作成したクーポンをメールなどで配信することで会員にご利用いただけます。ポイント端末や管理サイト上から利用履歴を取得できるので、効果検証することも可能です。
店頭プロモーションのコツ
店頭プロモーションを成果につなげるためには、下記のコツを知っておくことをおすすめします。
(1)目的やターゲットに適する手法を選ぶ
店頭プロモーションは、ターゲットや目的に合わせて、最適なプロモーション手法を選ぶことが重要です。例えば、その場で値引きする方が嬉しい顧客もいれば、ポイントとして付与された方が嬉しい顧客もいます。感じ方は人それぞれ異なるため、一律のアプローチでは逆に顧客離れを招く可能性があります。「誰に」「何を」売りたいかを考慮し、適切な手法を選定しましょう。目標と顧客層に沿ったアプローチをすることで、効果的なプロモーションが行えます。
(2)売り場全体の訴求を考える
売り場のイメージは、店頭プロモーションの成功に大きく影響します。 商品の配置や陳列方法を工夫し、売り場全体に統一感を持たせることが重要です。また、売り場には看板やポスターを活用して、特集商品やセール情報を記載することで、お店からのメッセージを伝えることができます。
割引・陳列・イベントなど、どれかひとつを行うのではなく、組み合わせて店頭プロモーションを実施することが重要です。また、季節や特定のイベントに合わせて売り場のデコレーションを工夫することも、興味を引きやすい要素になるので参考にしてみてください。
(3)ブランドイメージを意識する
店頭プロモーションを展開する際には、店舗や企業のブランドイメージを損なわないように細心の注意が必要です。ブランドイメージが損なわれると、顧客離れが生じる可能性があります。例えば、高級志向のブランドであるにもかかわらず、常にタイムセールを実施することは、安価で低品質の印象を与えかねません。
ブランディングは長期的かつ慎重に築いてきた重要な要素であり、顧客に支持される印象を守ることが重要です。従って、ブランドのイメージにそぐわないアプローチは避け、ブランドに合った店頭プロモーションを実施しましょう。
店頭プロモーションの事例
ここからは店頭プロモーションの事例をご紹介します。
アディダス ジャパン株式会社
スポーツブランド「アディダス」を展開するアディダス ジャパン株式会社が2013年に販売したランニングシューズ「energy boost」は、ユニークなイベントを実施し、話題となりました。この企画は、「履き心地体験」というコンセプトを掲げ、イベント参加者に「energy boost」を履いてもらうというものです。
ブース内にはランニングマシーンを使用した映像アトラクションが用意され、参加者は空の上や高速道路などの映像とともに、「energy boost」を履いて走る体験を味わうことができました。この斬新な仕掛けにより、シューズの快適性や爽快感が伝わり、機能訴求が効果的に行われたと言えるでしょう。
株式会社ジーユー
GUを展開する株式会社ジーユーは、2017年9月にオープンした横浜港北の店舗にて、画期的なショッピング体験を提供するために初めて「オシャレナビ・ミラー&カート」を導入しました。
オシャレナビ・ミラー&カートはセンサーを搭載しており、顧客が商品のタグを近づけると「コーディネート例」「口コミ」「各売り場のおすすめ商品」「店舗とオンラインストアで扱う商品のサイズや色別の在庫状況」などをリアルタイムで確認できる仕組みです。
これにより、店舗はテクノロジーを駆使して顧客に新しいショッピングを提供しました。先進的なテクノロジーを活用したことで、他ブランドとの差別化を図ることができた事例と言えます。
株式会社ホットランド
「築地銀だこ」を展開する株式会社ホットランドは、人気アニメ「呪術廻戦」や「スパイファミリー」、「鬼滅の刃」から人気スマホゲーム「モンスト」などとのコラボメニューを多数展開しており、オリジナルのノベルティ配布はSNSでも話題を呼んでいます。
子どもから大人まで楽しめるメニューを展開することで、より多くの層に築地銀だこのたこやきを食べてもらうことができるため、店頭プロモーションの成功事例といえるでしょう。またコラボ期間中は、お持ち帰り用のだんらんパックのパッケージもコラボ仕様となるため、アニメやゲームファンにとっても見逃せないキャンペーンとなっています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は、店頭プロモーションについてご紹介しました。店頭プロモーションは店舗に足を運んでくださった顧客の「最後の一押し」となる重要な役目をもっています。購入率・客単価・リピート率に課題がある店舗も店頭プロモーションを実施することで効果を発揮するのでぜひ参考にしてみてください。