ブランディングってそもそも何?意味や目的、成功させるポイントを解説します
目次[非表示]
- 1.ブランディングとは
- 1.1.ブランディングの目的
- 1.2.ブランディングとマーケティングの違い
- 2.ブランディングの種類
- 2.1.(1)対象者別の場合(誰に)
- 2.1.1.アウターブランディング
- 2.1.2.インナーブランディング
- 2.2.(2)内容別の場合(何を)
- 3.ブランディングを行うメリット
- 3.1.(1)顧客ロイヤルティの向上
- 3.2.(2)商品・サービスの差別化
- 3.3.(3)新しい市場を開拓しやすくなる
- 4.ブランディングを成功させるポイント
- 4.1.ブランドのコンセプトを明確にする
- 4.2.企業規模にあった手法を選択する
- 5.ブランディングの成功事例をご紹介
- 5.1.スターバックス コーヒー ジャパン株式会社
- 5.2.株式会社星野リゾート
- 5.3.マツダ株式会社
- 6.顧客のファン化を目指すなら顧客管理のできるポイントサービスがおすすめ
- 7.まとめ
ブランディングとは
企業のマーケティングに関わっている方であれば、「ブランディング」という言葉をよく耳にしているのではないでしょうか。ブランディングとは、企業やサービスの価値・イメージを高く認知してもらうために行う取り組みのことであり、他社との差別化を目指すビジネス戦略の一つです。ブランディングに成功すると、「○○といえば△△」というように自社の商品をイメージしてもらうことができ、長期的な利益の確保にも繋がるため、集客・PR・販促などあらゆる場面でメリットが得られます。
ブランディングの目的
ブランディングを行うことにより、自社の理念やメッセージが伝わり、消費者のみならず社内においても安心感を与えることができます。さらに、社会的な信頼が向上し、企業が発信した情報の影響力や信憑性が高まるため、注目されやすくなります。
ブランディングとマーケティングの違い
ブランディングとマーケティングは混合されやすい言葉ですが、意味は違います。マーケティングが「消費者にサービスを売るための戦略」なのに対して、ブランディングは「消費者のイメージを高めつつ、差別化を図る戦略」です。独自のブランドを作り、これに対する信頼や共感を通じて、他社との差別化などを目指す戦略を意味しています。
ブランディングの種類
ブランディングにはいくつかの種類が存在します。「誰に」ブランディングするのか、「何を」ブランディングするのかによって実施するブランディングの種類が異なります。
(1)対象者別の場合(誰に)
ブランディングを「誰に」対して行うかで分類した場合、「アウターブランディング」と「インナーブランディング」に分けられます。
アウターブランディング
アウターブランディングとは、消費者や顧客を対象とするブランディングのことです。単にブランディングと言う場合には、こちらを指すことが多いです。アウターブランディングは、自社のブランド価値を消費者に認知してもらうためのコミュニケーションであり、広告、マーケティングキャンペーン、商品パッケージ、ウェブサイトなどを通じてサービスや企業そのものに価値を感じてもらい、ファンになってもらうための活動を指します。
インナーブランディング
一方インナーブランディングは、自社のブランド価値を社員に認知してもらうためのブランディングで「インターナルブランディング」とも呼ばれます。インナーブランディングには、「ブランドミッション(社会的使命)・ブランドビジョン(なりたい姿)・ブランドバリュー(価値観)」を社内に浸透させる役割があります。
インナーブランディングが成功すると、社員は開発、マーケティング、営業、広報といった場面で、ブランドミッションやブランドビジョンに基づいた行動を自発的に行うようになります。その結果、社員が一丸となってアウターブランディングを推進することができるのです。インナーブランディングはアウターブランディングを行うにあたっての土台であるともいえます。
(2)内容別の場合(何を)
「何を」ブランディングするのか内容別でみた場合、「企業ブランディング」と「商品ブランディング」の2種類に分類されます。
企業ブランディング
企業ブランディングは、企業自体のブランド価値を向上させて他社との差別化を図るブランディングの事です。企業のビジョン、ミッション、価値観などを強調し、ロゴやスローガンなどを通して企業ブランドを構築していきます。自社ならではの「企業としての存在価値」を明確にし、共感を得ることができれば、市場競争力の強化や、資金調達や人材確保のしやすさ、社員のモチベーションアップといった効果が期待できます。
商品ブランディング
商品ブランディングは、商品・サービスのブランド価値を確立し、消費者に浸透させる取組みです。他社商品との違いを明確にし、独自の魅力や価値をアピールします。商品パッケージやネーミング、広告などを通して差別化を図ります。長く愛される商品ブランドを作ることができれば、顧客との絆が強まり、企業経営の安定化が期待できます。
ブランディングを行うメリット
企業がブランディングを行う理由は何でしょうか。こちらではブランディングを行う3つのメリットを紹介します。
(1)顧客ロイヤルティの向上
ブランディングを行うことで、「顧客ロイヤルティ」を向上させることができ、長期的に企業やサービスを支持してくれるロイヤルカスタマーの育成に繋がります。また、継続して購入してくれる顧客が増えるとLTV(ライフタイムバリュー)も向上するため、売り上げにも貢献できます。
(2)商品・サービスの差別化
他社との差別化が成功すれば、価格競争に巻き込まれることもなく、企業の強みで勝負することができます。独自のブランドアイデンティティを構築することで、消費者はそのブランドを認識し、信頼感や魅力を抱くようになります。差別化されたブランドは、競合他社よりも顧客の注目を集めるため、価格を低く設定しなくても選ばれる傾向にあります。
(3)新しい市場を開拓しやすくなる
ブランディングによって企業の社会的価値が高まれば、これまでに培ってきたブランド力を活かして新たな市場を開拓しやすくなります。企業が新しい市場に参入するときには、コストがかかることが一般的です。しかし、消費者からのイメージが良好な企業や顧客の信頼が厚い企業は、ブランドを武器に新しい市場でも競争ができるため、ビジネスの成功確率は高くなるでしょう。
ブランディングを成功させるポイント
ブランディングを成功させるにはいくつかのポイントがあります。これらのポイントを意識せずにブランディングを始めた場合、意図しない結果を招く可能性があるので注意してください。
ブランドのコンセプトを明確にする
他社との差別化において、要となるのがブランドコンセプトです。ブランドコンセプトとは、ブランドが持つ独自のアイデアや理念、イメージのことを指し、これは一貫性が求められます。消費者が目にするロゴ・キャッチコピー・CM・自社サイトなどにブランドコンセプトが浸透していれば「トリニティ=ポイントサービスの会社」といったように認知してもらえる可能性が高まります。
企業規模にあった手法を選択する
ブランディングには4つの種類があると前述しました。全てを実行すれば良いという訳ではなく、企業規模を考慮する必要があります。
例えば、ブランド価値を社員に認知してもらうためのインナーブランディングでは、大企業であればあるほど社員の数も多くなるため、実現が難しくなります。 一方、消費者や顧客へ広告などを利用してメッセージを届けるアウターブランディングは、予算の少ない企業には難しいですが、大企業には向いている手法となります。
企業は自身の規模やリソースを考慮し、最適なブランディング戦略を策定する必要があります。ブランディングの目的や目標を明確にし、実行可能な手法を選択することで、ブランドの成果を最大化することが期待できるでしょう。
ブランディングの成功事例をご紹介
ブランディングを実施することで成果を上げている企業をご紹介します。
スターバックス コーヒー ジャパン株式会社
競争の激しい飲料業界において客足が絶えないスターバックスは、CMや広告といったメディア戦略を一切行っていませんが、根強いファンが多く存在します。スターバックスのブランディングはメディアを通じてではなく、実際にお店へ足を運んだ顧客の「体験」がベースとなっています。居心地のよい店内やホスピタリティの高いスタッフの対応、店内の空間設計によってブランド価値を提供しています。
さらにサイトやSNSを通じて新商品・期間限定商品の情報をいち早く発信したり、おすすめのカスタマイズを紹介したりとお店に足を運んでもらうためのコミュニケーションの積み重ねがファンを増やし、支持される理由となっています。
株式会社星野リゾート
「リゾート運営の達人」をコンセプトに掲げている星野リゾートは、大きく分けて5つのリゾートブランドを運営しており、それぞれのコンセプトを明確に分けています。
星野や |
圧倒的な非日常感を演出する |
界 |
地域の魅力を再発見 |
リゾナーレ |
洗練されたデザインと豊富なアクティビティを提供する リゾートホテル |
OMO |
都市を中心に展開される都市観光ホテル |
BEB |
ターゲットは若い世代 |
さらに、各拠点におけるホテルのコンセプトは経営層が決めるのではなく、現場の従業員が主体性を持って決めることを重要視しており、インナーブランディングに力を入れています。星野リゾートでは、従業員に裁量権を与えており、自分で考えて動くように教育しているため、自由に宿泊者に提案して褒めてもらうことで、サービスがさらに良くなるという循環が起こっています。
マツダ株式会社
マツダは、1920年に創立された国内4位の自動車メーカーです。マツダはバブル崩壊後に、値引き戦略によりブランド価値の低下を招きました。その後、リブランディング(既存の商品・サービスのブランドを再構築すること)に取り組み、現在では熱狂的なファンを抱えています。
当時、マツダの世界シェアは2%程度。その状況を打破しようと生まれたのが「2%戦略」でした。シェアを積極的に拡大していくのではなく、既存の2%のファンに強く共感してもらえるような自動車、またブランドを作るという思いの元、他社との差別化を図る戦略を出しました。2013年には「Be a driver.」という新たな言葉を掲げました。自動運転へとシフトしつつある近年でも、運転を楽しいと感じる人のために「車ではなく人」に焦点を当てることでリブランディングに成功しました。
顧客のファン化を目指すなら顧客管理のできるポイントサービスがおすすめ
ポイントサービスを導入して顧客へポイントを付与する場合、会員ランクなどに応じてポイントの付与率を変更することが可能です。また、誕生日などの情報を登録することで、顧客の誕生日月にポイントプレゼントや付与率を変えることもできます。いわばポイントの付与は、ブランドからのメッセージであり「お得意様」という日本独自の商習慣の名残ともいえます。
ポイントは支払いの一部に使ったり、独自のオリジナルグッズと交換することも可能です。オリジナルグッズが非売品の場合、顧客は特別感を味わうことができるため、ブランドに対する好感度が高まり、ファンになる可能性も考えられます。ポイントを介して知らず知らずのうちにブランドと顧客とのコミュニケーションが生まれているのです。
ポイントサービスならVALUE GATE
VALUE GATEではポイントの付与・利用・取消などの基本的な操作に合わせて、会員の情報を管理することができます。会員ランク機能では、利用頻度や金額に応じてゴールド会員、シルバー会員などに分類できます。それぞれのランク別に差別化した特典を用意することでロイヤリティ向上が見込めます。
販促機能としては、会員にメールの配信ができます。テキスト形式・htmlから選べ、ランクや属性(年代・性別)などのセグメント抽出をしてからターゲットに合わせた配信が可能です。予約配信を利用してあらかじめ曜日や時間を決めておくことで、タイミング通りに効果的な配信ができます。配信後、開封率をチェックすることで今後の戦略に役立ちます。
まとめ
ブランディングは、企業や商品、サービスの価値や個性を顧客に伝え、長期的な関係を築くための戦略的な取り組みです。成功するブランディングは、一貫性と差別化を持ち、顧客の感情や信頼を引き付ける力を持っています。結果として、ブランディングは競争力を高め、顧客ロイヤルティを構築し、事業の成長と成功につながります。ブランディングを実施する際には、ぜひ参考にしてみてください。